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おとなのカラダゼミナール

人間も冬眠? 実現すれば究極のアンチエイジング法に

新しいメタボ予防法や健康長寿実現への応用も

 北村 昌陽=科学・医療ジャーナリスト

冬眠中は運動しないのに筋肉が落ちない!

 さて、冬眠研究には現在、医療界からの熱い注目が注がれている。冬眠を成り立たせるメカニズムには、病気の治療や予防への応用が期待される部分がかなり多いのだ。

 例えば、筋肉や骨への作用。「リスもクマも、冬眠中はほとんど体を動かしませんが、筋肉や骨はそれほど萎縮しない。運動しないのに筋肉が維持できるのです。この仕組みが解明されれば、寝たきりの問題解消や骨粗鬆症の予防などに役立つでしょう」と山口さん。

 また、冬眠動物たちは冬眠前に大量の餌を食べ、体脂肪率を極端に高める。人間ならメタボになりかねないそんな状況でも、彼らは健康体を保つ。このメカニズムがわかれば、「太っても健康体」という全く新しいメタボ予防法につながるかもしれない。

 アンチエイジングにもつながりそうだ。「冬眠した動物は寿命が長くなるといった報告もあります。体を若返らせて健康長寿を実現する秘密が、冬眠のメカニズムに組み込まれている可能性があるのです」(山口さん)。

 なるほど。SFの世界では宇宙旅行などに使われている冬眠の技術だが、現実には医療技術に応用されて、私たちの健康を守る役割を果たすようになるのかもしれない。期待しましょう。

山口良文(やまぐち よしふみ)さん
東京大学大学院薬学系研究科 助教
山口良文(やまぐち よしふみ)さん 1999年京都大学理学部卒。自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター研究員をへて、 2006年東京大学大学院薬学系研究科助手。2007年より現職。専門は細胞死の制御、哺乳類の冬眠の分子制御機構。

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