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ビジネスパーソンに贈る 眠りの超スキル

睡眠不足でも、帰りの電車で寝るのはご法度!

睡眠不足を補うなら、「行きの電車でのちょい寝」と「昼寝」

 伊藤和弘=フリーランスライター

仕事やプライベートの時間をやりくりするために、真っ先に削ってしまうのが「睡眠」ではないだろうか。また、年齢とともに、眠りが浅くなったり、目覚めが悪くなったりする人も多いに違いない。もう眠りで悩まないための、ぐっすり睡眠術をお届けしよう。

電車での仮眠時間を睡眠時間に算入しても問題ない?(©PaylessImages-123RF)
電車での仮眠時間を睡眠時間に算入しても問題ない?(©PaylessImages-123RF)

 昼下がりに都内で電車に乗ると、多くの人が居眠りしている姿が目に入る。いやー、みなさん、お疲れなんですねぇ。

 仕事が忙しくて、ろくに眠る時間もないビジネスパーソンの間では、「通勤時間を睡眠に充てている」と公言する人も少なくない。例えば、家で5時間しか眠れなくても、片道30分ずつ眠れば1日6時間眠れる計算に。

 しかし、睡眠時間は単純に足し算してもいいものだろうか。「夕方に3時間寝た後、深夜に仕事をして、早朝に再び3時間」みたいな分断型はどうなのだろう?

 こうした質問を向けると、「睡眠は1日合計で何時間取ればいい、というものではありません」と、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部の三島和夫部長は眉をしかめた。

 「体にはサーカディアンリズムと呼ばれる周期があり、血圧であれホルモンであれ自律神経であれ、24時間周期のメカニズムで動いています。例えば1日に3回ずつ睡眠を取るというのは、体にとっては(24÷3=)8時間周期で生活することになる。1回の睡眠が3時間で合計9時間確保したとしても、体の周期とまったく合わない生活が体にいいわけないでしょう」(三島部長)

深い徐波睡眠だけでも疲れは取れない

 「大切なのは、最初に徐波(じょは)睡眠が出て後半は浅くなっていく、メジャースリープ(まとまった睡眠)全体の構造を崩さないこと。短時間睡眠でも“深い眠り”は取れますが、問題は“浅い眠り”が取れないことなんです」と、三島部長は意外な事実を教えてくれた。

 脳や体の疲れを取るには、「徐波睡眠」という深い睡眠だけではなく、睡眠後半に出てくる「浅(せん)睡眠」も必要なのだ。徐波睡眠は眠ってから3時間以内に出る睡眠状態で、あとは時間とともに睡眠が浅くなっていく。3~4時間しか眠らない寝不足の人でも、実は前半部分の徐波睡眠だけはしっかり取れている。しかしそれでは不十分だから睡眠不足と呼ぶのである。

 睡眠は脳だけでなく、筋肉や内臓にも必要だ。こちらはある程度眠らないと休めないため、浅い眠りを含めたまとまった睡眠時間が欠かせない。年齢によって必要な睡眠時間は異なるが、おおむね6~7時間、夜にしっかり眠ることで、血圧が下がり、糖代謝なども改善する。

 実際、睡眠時間を削ると、わずか1日でも筋肉や肝臓が血液中のブドウ糖を取り込むのに必要なインスリンの働きが弱まることが知られている。「疫学的にも、短時間睡眠を長く続けると、糖尿病や高血圧といった生活習慣病にかかりやすくなることが分かっています」(三島部長)。

疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい

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