仕事やプライベートの時間をやりくりするために、真っ先に削ってしまうのが「睡眠」ではないだろうか。また、年齢とともに、眠りが浅くなったり、目覚めが悪くなったりする人も多いに違いない。もう眠りで悩まないための、ぐっすり睡眠術をお届けしよう。
マッサージを受けているうちに、うとうとと眠ってしまった経験はないだろうか? 筋肉の緊張が取れることで精神もリラックスし、安らかな眠りに落ちていく。悩み事を抱え、こわばった体でベッドに入ってもなかなか寝付くことはできない。就寝前のマッサージやストレッチは快眠のために有効な方法だ。
そこで今回のテーマは「5分でできる就寝前のストレッチ」。骨格や筋肉の治療を通じて睡眠の改善に取り組んできた「仲野整體東京青山」(東京都渋谷区)の仲野孝明院長に教えてもらった。全部で5種類。すべて行っても4~5分しかかからないから、多忙なビジネスパーソンにはありがたい。
体をリラックスさせて呼吸を整える「ポールストレッチ」
仲野院長がまず試してほしいと勧めるのが「背伸び」だ。仰向けに寝た状態で、30秒ほど手足をゆっくり上下に伸ばす。たったそれだけでも、効果はあなどれない。体の緊張をほぐしてリラックスさせ、姿勢を正して深い呼吸ができることで、よく眠れるようになるという。「コツは手足の末端(指先)を伸ばすように意識すること」と仲野院長。全身がしっかり伸びて、ストレッチ効果がぐっと高まる。
次には、就寝前に寝た姿勢で行う「ポールストレッチ」をやってみよう。「背伸び」よりリラックス効果を高められる。まず、バスタオルを三つ折りにして、円筒状になるように手前から丸めていく。なるべくきつく巻いた方がいい。背骨に沿う形でタオルを置き、その上に仰向けに寝る。タオルの先端はうなじに当たるようにする。両腕は自然に伸ばし、体に沿わせておく。
ゆっくり息を吸いながら肘を伸ばしたまま両腕を空中に引き上げ、半円を描いてバンザイするように頭上まで持っていく。腕、肩、背中の筋肉が伸びていることを意識しよう。手の平は天井を向くようにする。ゆっくり息を吐き、両腕から指先まで遠くに末端を伸ばすように意識しながら、両腕を床の上で滑らせ、大きく円を描くようにして最初の位置に戻す。腕を動かすときは常に肘を伸ばしたままだ。これを2~3回繰り返す。
