
就寝前の実践でぐっすり眠れる! わずか5分の快眠ストレッチ
「背伸び」と「足の血行改善」が寝付き改善のコツだった!
伊藤和弘=フリーランスライター
さらなるリラックスには胸と股関節をストレッチ
前述の3つのストレッチでうまく寝付けない場合は、以下のストレッチを追加する。いずれも姿勢を正して緊張をほぐし、呼吸を整えるのに有効だ。
バルーンストレッチ
これは要するに胸のストレッチだ。仲野院長は「特にデスクワーク中心で、前屈姿勢でいる時間が長い人、肩こりに悩んでいる人にお勧めです」と話す。
胸や肩をほぐす「バルーンストレッチ」
(1)椅子に座って背中をまっすぐ伸ばし、両腕を指先を伸ばして真下に向ける。
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(2)両腕を、手のひらを外側に向けるように、斜め下45度くらいに開き、ゆっくり息を吸いながら後ろに引いていく。手の平を上に向け、肩甲骨を寄せるようにして胸を開く。できる限り両腕を開いたら、そこで息を止めて3秒間キープ。息を吐きながら、ゆっくり両腕を元に戻す。回数は1回でも構わないし、3回ほど繰り返してもいい。
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あぐらストレッチ
これは股関節のストレッチ。「現代人はあまり
股関節を動かす機会がないので、どうしても固くなりがちなんです」と仲野院長。
股関節をほぐす「あぐらストレッチ」
(1)床にあぐらをかいた後、左右の足の裏をぴったり合わせる。あごを引き、胸を張って、背中をまっすぐに伸ばす。
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(2)息を吐きながら、上半身をゆっくり前に倒していく。ポイントは背中を丸めないこと。背中をまっすぐ伸ばしたまま、おなか、胸、顔の順番で床に近づけていくように意識する。ギリギリまで倒したら、そこで30秒ほどキープ。内ももの筋肉がしっかり伸びていることを意識しよう。その後、ゆっくり元の姿勢に戻る。1回でも構わないし、3回ほど繰り返してもいい。
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いかがだろうか? 難しいものもないし、全部行っても4~5分しかかからないので、気軽に継続しやすい点も有難い。歯磨きや入浴のように、「寝る前の儀式」として習慣化してしまうといいだろう。
仲野孝明(なかの たかあき)さん
仲野整體東京青山院長、姿勢治療家

1973年生まれ。大正15年に創業し、藍綬褒章を2回受章した名門「仲野整體」の4代目。柔道整復師認定スポーツトレーナー。正しい姿勢をトライアスロンやマラソンに応用。自ら「サハラマラソン」で257キロを完走するなど、自分の体を使って姿勢の可能性を研究。著書に『長く健康でいたければ「背伸び」をしなさい』(サンマーク出版)、『一生「疲れない」姿勢のつくり方』(じっぴコンパクト文庫)など。雑誌、講演、企業姿勢研修などでも活躍する。
(2、3ページ目のイラスト:『一生「疲れない」姿勢のつくり方』(仲野孝明・著/じっぴコンパクト文庫/実業之日本社)より転載)