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ビジネスパーソンに贈る 眠りの超スキル

暑苦しい寝床を快適空間に変える夏の快眠術

枕・マットの工夫で涼を取り、エアコン温度は高めに

 佐田節子=ライター

「抱き枕」で横向きに寝て通気を確保

 背中を涼しく保つには、「抱き枕」もお薦めだ。横向きになるので、背中が大きく開放され、通気がよくなる。「脇や股のあたりにも隙間ができるので、涼しく感じられます。また普通、横向きで寝る時は体の下側に圧力が集中しますが、抱き枕を使うと、腕や足などの体圧が枕に分散され、ラクに寝られます」と三橋さん。

 もともと抱き枕は、夏の涼をとるために工夫されたもので、東南アジアの竹製のものが起源と言われる。まさに夏こそ抱き枕、というわけだ。

 これも家にあるもので代用が可能だという。薄めの布団や冬用の敷きパッドを、二つ折りにしてからくるくる丸め、10cm程度の厚みになるようにして、3か所ほど紐で縛れば、“即席抱き枕”が完成。冬用の敷きパッドを使う場合は、フワフワした温かい側を内側にする。いつも使っている枕はそのまま使い、それに加えて抱き枕を使うといい。

抱き枕を使うと横向きになって通気がよくなる
[画像のクリックで拡大表示]
写真提供:ロフテー(製品名:ボディピロー)

エアコンの温度は就寝の前と後で変える

 最後は、「部屋」の温湿度調整だ。「エアコンをうまく使って、眠りやすい環境を作りましょう。前述の頭や背中を涼しくする工夫をしておけば、エアコンの設定温度をそれほど下げずにすむはずです」(三橋さん)。

 エアコンは、「寝る前」「寝る時」の2段階で使い方を変える。まずは寝る1時間ほど前に、25℃程度のかなり低い設定で部屋を十分に冷やしておく。日中の暑さで、寝室の壁などには熱がこもっている。この熱をしっかり取り除いておくためだ。

 そして就寝時には、少し汗ばむが目覚めない程度の温度(26~29℃くらい)に。タイマーを1~3時間設定しておいてもいい。「熱帯夜なら、28度程度の高めの温度で一晩中つけ続けた方が途中で目覚めず、熟睡できます」と三橋さん。

 扇風機もぜひ活用したい。体に直接風が当たらないよう、天井や壁に向けて回すのがコツだ。部屋全体の空気を緩やかに動かすことで、小さな気流が生じる。この小さな風が皮膚の上を通るときに、汗を蒸発させ、熱を奪い取ってくれる。「うちわであおぐ程度の微風で十分。リズム風などの設定にすると、より自然な状態に近くなります」(三橋さん)。扇風機との両刀使いで、エアコンの設定温度も高めにできる。

 なお、夏は夫婦で“エアコン・バトル”が生じやすい。男性は暑がりなので設定温度を低くしたいが、それでは女性にとっては寒くなる。「つけて」「消して」のバトルが始まる。どうしたらいいのか。

 「暑いと眠れないですが、寒い場合は寝具やパジャマなどで調整ができます。だから、これは暑がりの人に合わせるしかないですね。いっそのこと、夏の間だけ、別々の部屋で寝るという手もありますよ」と三橋さんはアドバイスする。

 暑い夏も工夫次第でぐっすり眠ることは可能。早速、今晩から快眠テクを役立ててほしい。

快眠セラピスト・睡眠環境プランナー
三橋美穂(みはし みほ)さん
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー 寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。睡眠に関わる講演や執筆、コンサルティング、快眠グッズのプロデュースなどに携わる。1万人の枕のフィッティング経験を持つ。睡眠の実践的なアドバイスと手軽にできる快眠メソッドに定評がある。日本睡眠学会正会員、日本睡眠環境学会正会員、一般社団法人日本睡眠教育機構「睡眠健康指導士上級」。近著に『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版)がある。
疲れをとるなら帰りの電車で寝るのをやめなさい

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