30分早く寝れば便通も改善する
なるほど、睡眠と便通は思った以上に深い関係にある。このような不調を改善していくためにも、白川代表は「おおもとにある睡眠不足を改めることが大切だ」と呼びかける。
「まずは、いつもより30分早く布団に入る(30分多く寝る)ことから始めてみてください。もちろん、寝る間際のドカ食いはダメ。夕食は寝る3時間前までには済ませ、どうしてもお腹が空いて我慢できない場合は、カロリーが少なく、胃から早く排出されるもの、たとえばコンニャクのゼリーのようなもので空腹を紛らわせるといいでしょう」(白川代表)。残業などでどうしても帰宅が遅くなる場合は、オフィスでおにぎりだけでも食べておき、帰宅後に軽くおかずを取る“分食”でしのぐという手もある(関連記事:「朝食抜きが、朝の“時差ボケ”を招く」)。
こうすれば朝には胃の中が空になっているので、朝食をおいしく食べられる。なお、胃・結腸反射を起こすには、それなりの量も必要。「流動食のようなものを流し込むのではなく、ある程度ボリュームのある固形物をしっかり噛んで食べることが大切」(白川代表)だという。
胃が空の状態で30分早く寝て、朝はいつも通りに起きて、朝食を食べる。すると、朝食後に便意が起こるようになり、便通が改善する。睡眠時間が増えるので、日中の眠気も改善し、仕事のパフォーマンスも上がる。すると昼間の活動量が増え、夜もぐっすり眠れるようになる…。芋づる式にいろいろなことが良い方向に回り始めるというわけだ。
「もちろん、睡眠や便通の悪化は長年の生活習慣がベースになっていますから、一朝一夕で良くなるものではありません。ただ、就床時刻を早くすると、体は1~2週間でそのサイクルに慣れてきますから、体の変化は比較的早く感じられるはずです。たとえ30分でも、早く床に就くメリットは大きいですよ」と白川代表は話す。
便通のトラブルに思い当たる人は、早速、今日から始めてみては?
睡眠評価研究機構 代表
