仕事やプライベートの時間をやりくりするために、真っ先に削ってしまうのが「睡眠」ではないだろうか。また、年齢とともに、眠りが浅くなったり、目覚めが悪くなったりする人も多いに違いない。もう眠りで悩まないための、ぐっすり睡眠術をお届けしよう。
春の陽気に誘われて、ついウトウト…。この季節はやけに眠い、とぼやいている人も多いのではないか。それにしても、春はなぜ眠いのだろうか。
睡眠・呼吸メディカルケアクリニック「RESM新横浜」院長の白濱龍太郎さんは、春は睡眠不足を招く要因が重なりやすいと説明する。
春に眠くなる理由
「日照時間が長くなって日の出が早くなり、冬ならまだ暗くて目覚めないような時刻に目が覚めることもある。また、新年度になって職場や上司の変化などにより、何かとストレスも多い。その結果、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりして睡眠不足になりやすいのです」
そもそも、睡眠時間は冬より夏の方が短くなる傾向がある。夏は夜が短く、朝早くから明るくなるため、どうしても目覚めが早くなりがちなのだ。日照時間がどんどん長くなる春は、このように睡眠が冬モードから夏モードへと切り替わる移行期間。加えて、仕事や人間関係などの変化が睡眠不足に拍車をかける。こうして「春は眠い…」となるわけだ。
しかし、春特有の眠気を差し引いてもまだ眠い、という人も多いだろう。仕事にプライベートにと忙しい毎日の中で、慢性的な睡眠不足に陥っているビジネスパーソンは非常に多いと、白濱さんは指摘する。
「日本人の睡眠時間はどんどん短くなっている。厚生労働省の『国民健康・栄養調査』によると、例えば20~50代男性の場合、1日の平均睡眠時間が6時間にも満たない人が4割前後を占めています。これでは睡眠不足になるのも無理はありません」
調査では、働き盛り世代の睡眠時間の短さが浮き彫りになっている。男性では6時間未満の人が20代39%、30代41%、40代42%、50代38%という状況(グラフ)。女性の場合は、20代35%、30代37%、40代47%、50代43%で、特に40、50代は男性以上に深刻だ。仕事と家庭の両立で、眠る時間を削らざるを得ない状況が推察される。

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