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ダイエットにいいのはどっち?

4時間と7時間睡眠、どっちが太る?

眠りと肥満、その意外な関係の真実に迫る!

 古谷暢基=健康・美容・医療ジャーナリスト/プロデューサー

 答え:(A) (C) (B)

ダイエットや美容面で理にかなった睡眠は7~8時間。睡眠時間は長過ぎても当然良くありません。9時間を超えると逆に太りだすというデータもあります。(©tiero-123RF)

 アメリカの名門コロンビア大学が約1万8000人対象に調べた研究では、平均睡眠時間が7時間のグループを基準にして、6時間だと23%、5時間だと50%、そして4時間以下だと73%も肥満になる確率が高くなる、という結果が出ました。つまり、(4~7時間の睡眠時間においては)睡眠時間が短ければ短いほど、肥満になるということになります。

 一体なぜ、このような現象が起きたのでしょうか?

 第一に、睡眠中は単純に「プチ断食状態」であることが挙げられます。

 例えば、夜12時に就寝、朝7時に起床の睡眠を7時間とった場合。前夜21時に夕食を終えて、朝8時に朝食をとれば、実に11時間もの間、“食べない時間”を作ることになります。逆に起きている時間が長ければ、単純に空腹を感じる時間・機会も多くなり、夜食などを食べてしまうケースも増えるでしょう。

睡眠時間と関係が深いホルモンがある

 さらに、睡眠時間の長さとダイエットに関わるホルモン分泌量の興味深い関係が、最新の研究によって判っています。

 その一つが、やせホルモンの代表「レプチン」。近年、脂肪細胞は脂肪を貯蔵するだけでなく、ホルモンや生理活性物質の内分泌機能を持つことが判ってきています。その中でもレプチンは、ギリシャ語で“やせる”という意味を持つ「leptos」を語源に持ち、脂肪細胞内の脂肪量などに合わせ、脳に代謝UPや食欲抑制のシグナルを送っています。

 もう一つは胃から分泌される「グレリン」で、脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の命令を出すホルモンです。

 アメリカのスタンフォード大学の研究では、睡眠5時間の人は、8時間の人に比べ、レプチン分泌量が15.5%減り、逆にグレリン分泌量が約15%増えました。さらにシカゴ大学の研究では、グレリン分泌を睡眠4時間と10時間で比較すると、4時間の方が約30%近くも増えるという結果となったのです。つまり寝不足の状態になると、身体はエネルギーを貯め込むために、食欲を増加させ、代謝を落とす命令を出す、ということですね。

 また、睡眠不足で交感神経優位・ストレス過多になると、「コルチゾール」というホルモンが継続的に分泌され、これが血糖値を上げ続けるために、結果的に体脂肪貯蔵ホルモンのインスリンの過剰分泌を招くことになります。

 さらに睡眠誘導ホルモンの「メラトニン」は、昼間、日光を浴びると生産される癒しのホルモン「セロトニン」が原料となりますが、メラトニンへと変化する時間がセロトニン生産後の約16~17時間後といわれています。つまり、夜12時に寝る人の場合、7~8時間眠って朝7時か8時に起きれば、その16~17時間後の夜12時にちょうど眠くなり、理想的な睡眠サイクルを実践できるというわけです。

 睡眠時間は長過ぎても当然良くありません。9時間を超えると逆に太りだすというデータもあり、上記各ホルモンの分泌面から見ても、やはり7~8時間の睡眠がダイエットや美容面でも理に適っています。

 ただ、適切な睡眠時間は、人によって多少違いはありますでしょうし、また忙しく活躍されている方は、必ずしも同じリズムをキープできない時もあるでしょう。今回の内容をご参考に、自分の身体と対話しながら、なるべく良質な睡眠を適切な時間とれるよう、心がけてもらえれば幸いです。

古谷暢基(ふるや まさき)さん
健康・美容・医療ジャーナリスト/プロデューサー
古谷暢基(ふるや まさき)さん 本や雑誌の著者、講演、講師などとして活動する一方、同時にルーシーダットンの代表取締役として、数々の健康・美容ビジネスを仕掛ける。日本ダイエット健康協会代表理事、和ハーブ協会理事長。ダイエット・予防医学のスタンダード知識を発信する検定・資格「ダイエット検定」の受験者数は1万人を突破。著書に『「食べる」だけダイエット』(マガジンハウス)など。
日経ウーマンオンライン2013年9月3日付け記事からの転載です。

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