日経グッデイ

ダイエットにいいのはどっち?

バレーボールと芝刈り、どっちがやせやすい?

運動でなくてもOK! インナビューティーには日々身体を動かすことが大切

 古谷暢基=健康・美容・医療ジャーナリスト/プロデューサー

ダイエットの方法、考え方には諸説ありますが、この連載では、健康・美容・医療ジャーナリスト/プロデューサーであり、日本ダイエット健康協会代表理事として『「食べる」だけダイエット』(マガジンハウス)などの著書もある古谷暢基さんに、ダイエットに関する最新の考え方、ノウハウを紹介していただきます。

 健康的なダイエットや、その人の本当の美しさである“インナビューティー”に絶対に欠かせないのが、血流と体温。食事や生活習慣も大切ですが、適度に「身体を動かす」ことの効果は実際に絶大なものがあります。

 しかし“運動”というと、やはり一般の人にはハードルが高い場合もあります。そんなわけで、今回は、「身体を動かす」ことへの正しい考え方と意識付けについて、勉強しましょう。

 まずは、下記の問題についてお考えください。

【問題】どれが一番カロリーを消費する?
(体重50kgの同人物が30分行った場合)

(A)バレーボール(競技ではなく、趣味的に行う場合)
(B)ガーデンニング
(C)芝刈り

 答え:(C)

 厚生労働省『健康づくりのための運動指針2006 ~生活習慣病予防のために』によると、人々が生活するうえで、安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての営みのことを「身体活動」といいます。身体活動はさらに、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施する「運動」と、職業や家事活動上のものを「生活活動」とに分かれます。

日常生活で体を動かすことだってダイエットに効果あり!
わざわざ運動を行わなくても、ガーデニングや床掃除、洗車など、日常生活の中での身体活動を行えば、実はダイエットや健康維持に大きな効果が!(©Michal Bednarek-123rf)

 これは、スポーツなどの運動による健康効果は知られているにもかかわらず、取り組んでいる国民の割合が低いことが背景にあり、そこで「運動」はなく「身体活動」というカテゴリーへと広げることで、身体を動かすことへのハードルを下げたものです。

 さらに、以前は、ウォーキングを10分行うと30kcal、あるいはバスケットボールは82kcalなど、運動の種類ごとに消費カロリー量が定められていましたが、個人の体格差を反映させないのは不自然ということになり、『健康づくりのための運動指針2006』では、身体活動の強度を単位で表す方向に修正されました。METs(メッツ)は安静時(1METsは1時間静かに座っている状態の運動強度)を基本とする単位で、各身体活動のエネルギー消費量がその何倍にあたるかで示されます。このMETsに時間を掛けると活動量を表すEx(エクササイズ)となります。

消費カロリーを計算してみましょう

 さらにExと体重から、消費カロリーを計算することができます。その簡易換算式は、1.05×Ex×体重(kg)です。

 問題で挙げた活動の身体活動量は、それぞれ下記の計算になります。

(A)バレーボール(=4METs)
  30分行うと、  ⇒4METs×0.5時間=2Ex
  消費カロリーは⇒2Ex×1.05×50=105kcal

(B)ガーデンニング(=4METs)
  30分行うと、  ⇒METs×0.5時間=2Ex
  消費カロリーは⇒22Ex×1.05×50=105kcal

(C)芝刈り(=6METs)
  30分行うと、  ⇒6 METs×0.5時間=3Ex
  消費カロリーは⇒23Ex×1.05×50=157.5kcal

 バレーボールの消費カロリーが最も高そうに見えますが、バレーボールはプレイ中でも、走るといった動きが少ないことから、意外に活動量が少ないことが分かります。対して、ガーデニングは座ったり・立ったり、また庭を道具や鉢などを持って動き回ったりなど頻繁に体を動かしているため、バレーボールと同じ活動量になりました。さらに、芝刈りでは継続的な筋肉の負荷が強いられるため、“少し激しい運動”並みの活動量があります。このほかに、床掃除や洗車などはバレーボールや軽い運動並みの負荷です。

 このようにわざわざスポーツをしなくても、日常生活の中での様々な“身体を動かすチャンス”を生かしていけば、実はダイエットや健康維持に“かなりの効果”が出るのです。ぜひ、それを意識してほしいと思います。

1エクササイズに相当する運動の例時間(分)
ボーリング、バレーボール、フリスビー、ウェイトトレーニング(軽・中強度)20
速歩、体操(ラジオ体操など)、ゴルフ(カートを使って)、卓球、バドミントン、アクアビクス、太極拳15
軽いジョギング、ウェイトトレーニング(高強度)、ジャズダンス、エアロビクス、バスケットボール、水泳(ゆっくり)、サッカー、テニス、スキー、スケート10
ランニング、水泳、柔道、空手7~8
1エクササイズに相当する生活活動の例時間(分)
普通歩行、床掃除、荷物の積み下ろし、子どもの世話、洗車20
速歩、自転車、介護、庭仕事、子どもと遊ぶ(歩く・走る、中強度)15
芝刈り(電動芝刈り機を使って歩きながら)、家具の移動、階段の上り下り、雪かき10
重い荷物を運ぶ7~8
出典:厚生労働省『健康づくりのための運動指針2006~生活習慣病予防のために』(※筆者注 同じ体重でも筋肉量などの体質の違いでエネルギー消費量は異なり、さらに動き方ひとつをとってもその方法に個人差があるので、計算式はあくまでも目安としての参考です)
※記事中に出てくる問題は、日本ダイエット健康協会が実施している「ダイエット検定」より紹介しています。
古谷暢基(ふるや まさき)さん
健康・美容・医療ジャーナリスト/プロデューサー
古谷暢基(ふるや まさき)さん 本や雑誌の著者、講演、講師などとして活動する一方、同時にルーシーダットンの代表取締役として、数々の健康・美容ビジネスを仕掛ける。日本ダイエット健康協会代表理事、和ハーブ協会理事長。ダイエット・予防医学のスタンダード知識を発信する検定・資格「ダイエット検定」の受験者数は1万人を突破。著書に『「食べる」だけダイエット』(マガジンハウス)など。
日経ウーマンオンライン2013年10月8日付け記事からの転載です。