気がつくと、今年ももう2月。「新年に、今年こそは食生活を見直そう!」と思いながらも、ズルズルと2月を迎えてしまった人も少なくないだろう。
さて、飲み過ぎの左党の多くが気にする「中性脂肪」。一般に、飲酒によって中性脂肪が上がるといわれているが、適量までなら中性脂肪は上がらないことを前回紹介した。むしろ、気をつけるべきなのは「おつまみ」だという。今回は、前回に引き続き、栗原クリニック 東京・日本橋の院長・栗原毅さんに、実践的な中性脂肪対策を聞いていく。

早いもので、今年ももう1カ月たってしまった。ようやく新年会も一段落したが、年末年始の飲み会や新年会の飲み過ぎで体重が増加し、パンツのウエストもパッツンパッツン、顔も真ん丸(私のこと?)。…そんな自分を反省して、「今年こそは食生活の見直しを!」と心に誓った人も多いだろう。左党の皆さんはどうだろうか? きちんと自制できただろうか?
さて、前回は、飲酒と中性脂肪の関係について栗原クリニック 東京・日本橋の院長・栗原毅さんに解説していただいた。中性脂肪が過多になると、動脈硬化を進行させるのはもちろん、善玉であるHDLコレステロールを減らしたり、悪玉であるLDLコレステロールを小型化させ、超悪玉コレステロールを生むといった悪影響がある。
そして、一般に飲酒によって中性脂肪が上がるといわれているが、適量までなら中性脂肪は上がらない(もちろん飲み過ぎはダメ)という研究結果があることをお伝えした。さらに飲酒には、善玉のHDLコレステロールを上げるといううれしい効果もある。
適量までとはいえ、ある程度飲んでも中性脂肪が上がらないというのは、左党にとってうれしい話だ。では、酒飲みに中性脂肪が高い人が多いように思えるのはなぜか。それは「おつまみを食べ過ぎていることが原因」だと栗原さんは言い切る。
そこで、後編となる今回は、中性脂肪を下げるためには、お酒のおつまみ、そして日々の食事をどうすればいいか。さらに運動面で何をすべきなのかを栗原さんに聞いていく。
脂っこいおつまみを控えればOK?
まず栗原さんに、おつまみがなぜ中性脂肪を増やすのかを聞いてみた。脂肪というと、脂っこいものが悪そうに思えるが、やはり脂っこいおつまみが問題なのだろうか。
「脂肪と聞くと、脂肪分の多い肉などを想像しますが、中性脂肪は糖質によって増えます。糖質はカラダの中に入るとブドウ糖となり、小腸で吸収され、血液へと送られます。すると血糖値が急上昇し、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが多量に分泌されます。そして、血液中の糖は中性脂肪となり、肝臓や脂肪細胞に蓄積されるのです」(栗原さん)
「中性脂肪を下げるには、血糖値が急上昇しないような食事にする必要があります。このことから分かるように、おつまみはもちろん、普段の食事の糖質を減らすことが大切なのです」(栗原さん)
