12月から1月にかけては、とにかく酒席が多い。さらに、年末年始は自宅でも飲み続け、食べ続ける――。仕事始めのこの時期、多くの酒飲みが気にするのが、体重、そして脂質ではないだろうか。一般に、酒飲みは中性脂肪やコレステロールも高そうだと思われがちだが、実際はどうなのだろう。中性脂肪やコレステロール、脂肪肝関連の著書を多く手掛けてきた栗原クリニック 東京・日本橋の院長・栗原毅さんに話を聞いた。

年末年始で“たが”が外れ、はっちゃけて暴飲暴食。久々に体重計に乗ったら、体重と体脂肪を見て「ギャーッ!」と叫ぶのがちょうど今ごろ。さらに、もっと見たくないのが血液検査の数値だ。中でも中性脂肪とコレステロール値はできたら「見なかったこと」にしたいと思う人も多いのではないだろうか?
中性脂肪はイヤだけど、酒は我慢できない
酒飲みは、中性脂肪が高い。コレステロールも高そうだ――。巷(ちまた)ではそう思われているが、実際はどうなのだろう?
実のところダイエット&筋トレする前の私もそう。体重は標準値以内なのに、体脂肪と中性脂肪がやたら多い、典型的な「隠れ肥満」だった。肉で言うならサシがいっぱい入った神戸牛といったところだろうか。「今のままの生活を続けていたら、神戸牛どころか、豚バラ肉まっしぐら」と思い、筋トレをがんばって何とか中性脂肪、それにコレステロールとも基準値に下げたものの、一抹の不安が残る。それは酒を我慢することができないからだ。
厚生労働省のホームページを見ると、「アルコール摂取量に比例して中性脂肪は増加します」と怖い説明がある。さらには「過度のアルコール摂取は脂肪肝の原因になる」とも…(詳しくはこちらをご覧ください)。
これを読むと、酒をやめない限り中性脂肪は増加し続け、あっという間に脂肪肝になってしまうのでは? と悲観してしまう。しかし酒をやめることは何があろうと断じてできない。でも中性脂肪が高いのはイヤだ。
などと書いておきながら、恥ずかしいのだが、正直なところ、私は中性脂肪について、正しく理解できているのか自信がない。脂質が増えて、メタボになって、血液がドロドロになり、体に悪そう…というイメージはあるものの、悪いのは中性脂肪よりコレステロールという印象が強い。中性脂肪はどうなのだろうか? そして、酒をやめなくちゃ下がらないのだろうか?
そこで今回は、中性脂肪やコレステロール、そして脂肪肝についての著書を多数出している栗原クリニック 東京・日本橋の院長・栗原毅さんを訪ねた。栗原さんは、肝臓専門医で、「血液サラサラ」の名付け親でもある。

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