日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > ダイエット・食生活  > 左党の一分  > 飲酒による骨への悪影響をビタミンEが防ぐ!  > 4ページ
印刷

左党の一分

飲酒による骨への悪影響をビタミンEが防ぐ!

飲酒と骨粗しょう症【後編】適量飲酒、そしてビタミンE、D、Kを意識的にとる

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

 生活面ではこのほか、適度な運動も実践してほしいと宮本さんは話す。

 「適度な運動も骨の健康維持に欠かせません。1つ前のバス停で降りて歩く、エレベーターより階段を使うなど、日常生活で継続して行える運動を実践してください。日の高いうちに運動を行えば日光浴もできて一石二鳥です」(宮本さん)

 意識さえすれば、この程度の運動であれば無理なく行うことができそうだ。また、運動により足腰の筋肉を維持できれば、転倒リスクを下げることにもつながる。

「骨粗しょう症は病気」という認識を!

 これらの健康習慣を心がける一方で、宮本さんは「『骨粗しょう症は病気』という認識を持ってほしい」と話す。

 「骨粗しょう症と言うと、多くの方が加齢によって起こる白髪や皺(しわ)と同じ程度に考えていますが、それは大きな間違いです。前述した食事や運動は、骨の健康を維持するために実践していただきたい対策ではありますが、骨密度が下がって骨粗しょう症と診断された人が、これらの対策だけで骨密度が増えるわけではありません。骨粗しょう症と診断されたら病気なので治療が必要なのです」(宮本さん)

 自分の今の状態を把握するため、宮本さんは、定期的に病院で骨密度の測定をすることを強く勧める。これにより、正確な骨密度を知ることができる。「特に家族の中に大腿骨近位部骨折の経験がある人は意識して検査を受けていただきたい」と宮本さん。(※検査法についてはこちらの記事を参照)

         ◇        ◇        ◇

 最後に宮本さんは、「前回も少し触れましたが、遺伝的要素は大腿骨近位部骨折の大きな要因の一つです。顔や体型は骨格からなるもの。親子なら似た骨格になります。家族で大腿骨近位部骨折を起こした方がいる場合はより注意が必要です」と話してくれた。このほか、「骨粗しょう症のリスクが高い、閉経後の女性、前立腺がん治療中の方、高齢の男性なども注意していただきたい」と宮本さん。

 そして今回のテーマである「お酒で顔が赤くなる人」が遺伝的に骨折リスクが高いことについても、「遺伝子は変えられませんが、ビタミンEによりリスクを下げることはできます。家庭でできる対策ですので、ビタミンEを含む食事を意識的にとることを実践していただきたい」と宮本さんは話す。

 大腿骨近位部骨折は、男女ともに年齢を重ねるほどリスクが高くなる。お酒を飲んで顔が赤くなる人、下戸の人はもちろんのこと、酒豪であっても「お酒を飲んでも顔が赤くならないから大丈夫」と高をくくることなく、適量を守り、バランスのよい食生活を実践してほしい。そして骨密度の検査も定期的に受けて、骨折と無縁の生活を送っていただきたい。

(図版:増田真一)

宮本 健史(みやもと たけし)さん
慶應義塾大学医学部 整形外科学 先進運動器疾患治療学寄付講座 運動器科学研究室 室長
宮本 健史さん 1994年熊本大学医学部卒業、2001年同大学大学院博士課程修了。2004年慶應義塾大学医学部助手(整形外科/発生・分化生物学)、2006年同大学医学部講師などを経て、2013年4月より現職。専門は、整形外科、骨代謝、骨粗しょう症。2005年、整形災害外科学研究助成財団 マルホ奨励賞、2007年、長寿科学振興財団 理事長賞、日本整形外科学会 学会奨励賞、2012年、日本骨代謝学会 学術賞、2018年、日本リウマチ学会 学会賞を受賞。
酒好き医師が教える最高の飲み方

先頭へ

前へ

4/4 page

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 男性ホルモンを増やす5つのポイント

    年齢とともに、男性ホルモンの低下から、体調が優れない、イライラする、よく眠れないという症状が表れる。こうした状態を放っておくと、身体機能の低下やうつ病、メタボリック症候群などの病気リスクが高まってしまう。男性ホルモンについて正しく理解し、どのように生活習慣を改めれば男性ホルモンが増え、ハツラツとした生活を取り戻せるのかについて、5つのポイントにまとめて紹介しよう。

  • 筋肉を衰えさせない「たんぱく質」の正しい摂取法

    最近、筋肉の大切さが指摘される中で、「たんぱく質をしっかりとるべき」という意識が定着しつつある。だが、たんぱく質は、誤解されていること、そして知っているようで知らないことが多くある。いくらとってもいいのか、肉と大豆ではどっちがいいのかなど、即答できない人も多いだろう。本特集では、たんぱく質の基礎から、正しい摂取法、そして身近な食品に含まれるたんぱく質の量までを一挙に紹介する。

  • あなたの腎臓、大丈夫? 急増する慢性腎臓病を防ぐ

    普段あまり意識することの少ない「腎臓」。だが近年、人口の高齢化に伴い、慢性腎臓病から人工透析へと至る患者が急増している。腎臓は、ひとたびその機能が失われると、坂道を転がり落ちるように悪化していく。そうなる前に腎臓の異常を察知し、腎機能の悪化を食い止めるにはどうすればいいのか。重要ポイントをまとめた。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Goodayマイドクター申し込み

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.