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左党の一分

飲酒による骨への悪影響をビタミンEが防ぐ!

飲酒と骨粗しょう症【後編】適量飲酒、そしてビタミンE、D、Kを意識的にとる

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

ビタミンEの抗酸化作用が骨芽細胞の機能不全に効く!

 「アルコールの摂取量を減らす」ことを地味に実践するのを基本にしつつ、他に骨粗しょう症リスクを下げるためにできることはないのだろうか。

 そう尋ねると、宮本さんは「実は、同じ論文(*1)で、対策についても載せていまして…」とおもむろに話し始めた。

*1 宮本さんたちは、「お酒で赤くなる人は骨粗しょう症による大腿骨骨折を起こしやすい」ことを報告する論文を2017年3月に発表している(Sci Rep. 2017 Mar 27;7(1):428. doi: 10.1038/s41598-017-00503-2.)。詳しくは前編を参照。

 「それはビタミンEです。私たちの研究の中で、アセトアルデヒドにより機能不全を起こした骨芽細胞にビタミンEを添加することで、骨芽細胞の機能不全を回避できることが試験管内の培養により示されました」(宮本さん)

 「下の写真の赤い色は骨芽細胞がカルシウムを沈着させていることを示します。アセトアルデヒドを添加すると赤い色が減ってしまいますが(写真中段)、ここにビタミンEを添加すると再び赤い色が戻ってきます(写真下段)。つまり、骨芽細胞の機能不全がビタミンEによって回避されたわけです。これは、試験管培養での結果ではありますが、実際の人間の体内においても効果が期待できると考えられます」(宮本さん)

骨芽細胞の機能障害はビタミンEにより回避できる
写真中の赤い色が、骨芽細胞がカルシウムを沈着させていることを示す。アセトアルデヒドを添加するとこの赤い色が減るが、さらにビタミンE(Trolox C)を添加すると再び増えることが確認された。(写真提供:慶應義塾大学医学部)

 一筋の光が見えてきた(涙)。ビタミンEの摂取なら、そう難しくなさそう!

 しかし、なぜビタミンEが骨粗しょう症にいいのだろうか? 宮本さんはこう説明してくれた。

 「前回説明したように、体内にアセトアルデヒドがあると、活性酸素(酸化ストレス)が蓄積することがわかっており、これが骨芽細胞に影響すると考えられます。一方、ビタミンEには、強い抗酸化作用があります。この抗酸化効果によって、酸化ストレスから生じた骨芽細胞の機能不全に効果を示したと考えられます」(宮本さん)

 活性酸素は体の組織や細胞を傷つけ、老化やさまざまな疾患との関連も指摘されている。その活性酸素を消去し、体を守ってくれるのが抗酸化物質だ。

 そしてビタミンEは「若返りのビタミン」などと言われることもある脂溶性のビタミン。ビタミンEを多く含む食品には、アーモンド、松の実、ひまわりの種をはじめとするナッツ類、ツナ、ニジマス、うなぎなどの魚がある。このほか、植物油や野菜にも含まれている。(※ビタミンEの摂取についてはこちらの記事を参照)

 宮本さんは、ビタミンEを含む食材を意識的にとってほしいと話す。ビタミンEは多くの食材に含まれているので、日常の食事でカバーするのは難しくなさそうだ。なお、宮本さんによると、「サプリでもかまわない」とのことだが、サプリはあくまで食事で足りない分を補う“補助的なもの”として考えたほうがいいと話す。

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