誰もが気になる「老化」。その主犯の一つとして、今注目されているのが「糖化」だ。皮膚の老化はもちろん、骨粗しょう症や動脈硬化症、認知症などにも影響するというから放置してはおけない。この怖い糖化、糖質のとり過ぎだけでなく、お酒の飲み過ぎでも進行するという。「糖化と飲酒」の後編となる今回は、糖化を防ぐ2大対策と、飲酒面で気をつけるべきことを、糖化のエキスパート・同志社大学の八木雅之さんに聞いていく。
最近、老化の主犯の一つとして何かと話題になる「糖化」。前回は、糖化研究のエキスパートである同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター チェア・プロフェッサー教授の八木雅之さんに「これでもか!」というほど、糖化の恐ろしさを教えていただいた。
糖化によって生成されるAGEs(糖化最終生成物)が体内に蓄積していくと、肌の老化が進み、老けて見えるようになるだけでなく、骨粗しょう症や動脈硬化症、認知症などの発症・進行にも影響を及ぼす。糖化は、老化や疾患に関わる危険因子なのだ。(詳しくは前編をご参照ください)

私も、「糖化が今話題のトピックスで、老化を遅らせたいと思っている人は注意すべき」ということは知ってはいたが、まさかここまで広範囲に影響を及ぼすものだとは思わなかった。
さらに、「糖化とアルコールは密接な関係にある」という事実まで突きつけられてしまった。記事を読んで、心が折れた左党も多いのではないだろうか?(筆者もである)
後編となる今回は、糖化リスクを抑える対策を、前回に引き続き、八木さんに伺っていこう。八木さんによると、糖化を防ぐには主に2つの対策があるという。さらに、飲酒面での対策も含めて伺っていこう!
第一の対策は、食後高血糖を抑えること
先生、2つの対策はすぐにでも取り入れられるものなのでしょうか?
「はい、“意識”さえすれば今日からすぐにでも実行できます。前回も解説しましたが、糖化は体内の余分な糖とたんぱく質が結合して起こります。つまり、糖化を抑制するには、体内に余分な糖があふれないようにすればいい、つまり第一の対策は『食後高血糖対策』です」(八木さん)
「具体的には、食後の血糖値を急激に上げないようにすることが大切になります。食後に、血糖値が急上昇することを食後高血糖(血糖値スパイク、グルコース・スパイク)と言いますが、実はこのとき、アルデヒドも同時に生成されていることがわかっています。つまり、食後高血糖を抑えれば、糖化の進行を抑制することができるのです」(八木さん)
一筋の光が見えてきた(涙)。では、どんなことをすればいいのだろうか?
