「若い頃はガンガン飲めたのに、年を重ねるごとに酒に弱くなった。つい昔のペースで飲んでしまい、翌日は二日酔い…」。そんな経験をしてしまったミドル、シニアの人は少なくないだろう。加齢には勝てないので、やはり酒量を抑えなければならないのだろうか。そしてミドル以上ならではの飲酒の注意点はないのだろうか。そこで今回は「加齢と飲酒の関係」、そしてミドル以上のお酒の飲み方をまとめた。
ちょっとでも飲み過ぎると、翌日酒が残るように…

1つ年を重ねるごとに酒が弱くなる――。年齢を重ねた左党であれば、一度は感じたことがあるのではないだろうか?
私事で恐縮だが、加齢が原因で酒が弱くなることは「日々感じている」と言っても過言ではない。20代の頃はどんなに飲んでも二日酔いになることはめったになかったが、50代になった今、ちょっとでも飲み過ぎると、翌日必ずと言っていいほど酒が残るようになった。もし20代と同じ量の酒を飲んだら二日酔いではなく、間違いなく三日酔いになる(怖くて飲めないけど)。
酒の抜けるスピードもとにかく遅くなった。飲み過ぎて二日酔いになったときも、若い頃なら昼くらいになると酒が抜け、「今夜は何を飲もうかな」と思ったものだが、今では夕方になってようやく調子が戻る。しかも「酒を飲みたい」という気持ちにはならず、飲み過ぎた翌日は大概休肝日だ。
酒量も減ったので、最近では「あと1杯飲みたいな」というところでやめておくのが普通になった。まあ、大人の飲み方といえばそうなのだが、若い頃「酒豪」を誇ってきた者にとっては、何だかつまんないのである。
さらに加齢によって出てきた症状が「酒を飲むとすぐ眠くなる」こと。しかも飲んでいる場で眠くなってしまうことも多く、恥ずかしながら、ひどいときには船をこぎながら宴席に座っていることもある。
本当は若い頃のようにもっと酒を楽しみたい。しかしカラダが言うことを聞いてくれない。「加齢による症状だから」とあきらめるしかないのだろうか? あの栄光(?)の酒量はもう取り戻すことはできないのだろうか? また、取り戻すことができないなら、今後、お酒とどう付き合っていけばいいのだろうか。
そこで今回は、アルコールと健康の関係に詳しい久里浜医療センター院長の樋口進さんに「加齢と飲酒の関係」について話を伺った。

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