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左党の一分

「脳はアルコールを欲している?」その不思議な相性を検証

アルコールは脳の関門を簡単に突破して、脳に影響を与えられる

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

 最初にアルコールの影響を受けるのが前頭葉と聞くと、つい飲み過ぎてしまうのも合点がいく。「これ以上飲んだらよくない」という自制心がなくなり、酒を大量に飲んでしまうのである。

 「前頭葉に続いて、記憶を司る海馬、運動機能を司る小脳の順番にアルコールの影響を受けます。飲み過ぎて記憶がなくなると不安になりますが、記憶がなくなるのは海馬が一時的にお休みしているだけです。つまりアルコールによる記憶喪失は一時的で、時間がたてば元に戻ります。筋肉痛みたいなものなのです」(柿木氏)

 働き者の脳だって、たまには休みたい。思い切り解放され、リラックスもしたいだろう。脳はそんな理由からアルコールを欲しているのではないか、と勝手に思った。

 「アルコールを飲むと、快楽を司る脳内ホルモンである『ドーパミン』が多量に分泌され、リラックスしたときに出る脳波の『アルファ波』が多く出ます。だから、適度に酔っぱらうと気持ちがいいし、疲れも取れる。これは脳にとっても心地よい状態なのかもしれません」(柿木氏)

 脳がアルコールを欲しているというのは本当かもしれない、と思えてきた。柿木氏は、「人間は進化の過程でアルコールの分解能力まで備えたのですから、アルコールは人間、とりわけ脳にとって、好ましいものなのではないか、とひとりの酒好きとしては思いますね」と話す。

 赤ちょうちんを見ると酒が飲みたくなるのも、天気がいいとビールが恋しくなるのも、全て意味があるように思えてきた。

もちろん、飲み過ぎれば深刻な影響が全身に…

 脳がアルコールを欲しているといっても、大量に飲んでもいいというわけではない。ものには必ず限度がある。

 大量の酒を飲んで「血中アルコール濃度」が急上昇すると、脳に大きな影響が出て、それが全身に波及する。

爽快期(血中アルコール濃度20~40mg/dL)
症状:陽気になる、皮膚が赤くなる

ほろ酔い期(血中アルコール濃度50~100mg/dL)
症状:ほろ酔い気分、手の動きが活発になる

酩酊初期(血中アルコール濃度110~150mg/dL)
症状:気が大きくなる、立てばふらつく

酩酊極期(血中アルコール濃度160~300mg/dL)
症状:何度も同じことをしゃべる、千鳥足

泥酔期(血中アルコール濃度310~400mg/dL)
症状:意識がはっきりしない、立てない

昏睡期(血中アルコール濃度410mg/dL以上)
症状:揺り起こしても起きない、呼吸抑制から死亡に至る

厚生労働省e-ヘルスネットより

 アルコールが前頭葉に影響を与えて、ほろ酔い気分になったり、陽気になったりしているうちはまだいい。小脳に影響が出てくると、今度は、ふらついたり、千鳥足になってくる。そして、さらに進むと意識がなくなり、最悪の場合、死に至ってしまう。

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