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左党の一分

胃酸逆流を悪化させない酒とつまみの選び方

お酒は炭酸系を避け、つまみは脂肪分の少ないものを選ぶ

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

 逆流性食道炎の合併症としては、食道からの出血や、炎症を繰り返すことで食道が細くなっていく食道狭窄、そして胃に近い食道下部の粘膜が変性する「バレット食道」などがある。

 「食道は、扁平上皮(へんぺいじょうひ)という粘膜で覆われています。一方、胃は円柱上皮(えんちゅうじょうひ)という別の種類の粘膜で覆われています。バレット食道とは、食道下部の粘膜が変性し、胃から連続して円柱上皮に置き換わってしまう状態を言います。長期間にわたってこうした状態が続くと、食道がんに罹患するリスクが高くなります」(秋山さん)

バレット食道
[画像のクリックで拡大表示]

 食道がんと聞くと、ぞわっとする……。自己判断なんてもってのほか。重症の場合はきちんと治療するのが必須なのだ。では具体的にどういった治療をするのだろう?

 「初期治療では、胃酸を抑え、胃の中の酸性度を弱めるプロトンポンプ阻害薬(PPI)と言われる薬を処方します(4~8週間)。これは軽症でも、知覚過敏で胸やけの症状がある人(前回参照)にもよく効きます。日本で開発され2015年にリリースされたボノプラザン(商品名:タケキャブ)はカリウムイオン競合型酸ブロッカー(P-CAB)と呼ばれ、従来のPPIよりも強力に胃酸を抑えることができます。投与した初日から効果を示し、24時間にわたって安定した薬効を感じることができます。薬効に個人差が少ないのも特徴です」(秋山さん)

 また秋山さんによると、「その人の症状に合わせ、食道の粘膜を保護し、胃酸を中和する制酸薬(酸中和薬)、消化を促進させる消化管運動改善薬、胃底部を広げ、げっぷを出にくくする漢方薬の六君子湯(りっくんしとう)も併用できる」という。制酸薬は、胃もたれや胸やけなどの症状が出たときに補助的に用いることが多い。

逆流性食道炎の投薬治療

・胃酸の分泌を抑える薬

プロトンポンプ阻害薬(PPI)またはカリウムイオン競合型酸ブロッカー(P-CAB)がよく使われる。初期治療で4~8週間服用すると、食道粘膜の炎症が改善する

・酸を中和したり、酸による刺激を弱める薬

制酸薬、アルギン酸塩など。効きめは20~30分程度で、症状が出たときに補助的に使われる

・消化管運動改善薬、漢方薬(六君子湯)

プロトンポンプ阻害薬が単独で効果が十分ではないときに補助的に使われる

 初期治療を終えて症状や食道の炎症が改善すれば、そのまま投薬を終了し、日常生活に気をつけるだけでよいことも多い。しかし、食道の炎症がひどかった場合は、食道狭窄やバレット食道などの合併症を予防するために、初期治療後も投薬を続けることがある。これを「維持治療」という。

 なお、胃酸の分泌を抑える市販薬もある。軽症の場合は、症状が出たときにこうした市販薬に頼るのもよい。しかし、重症で治療が必要な場合は、「きちんと医師の指示に従って投薬したほうがよい」と秋山さんは言う。

重症化を防ぐための飲み方・食べ方

 投薬でも症状が改善しない場合は、さらに高度な検査と治療が必要になってくる。

 「症状の改善が見られない方は、食道の中の酸の状態を見る食道内pHモニタリングや、食道の動きや噴門の働きを見る食道内圧検査を行う場合があります。その結果を踏まえ、専門家による内科的治療か、噴門形成術と呼ばれる外科的治療のどちらかを選択します」(秋山さん)

 欧米では外科的手術も広く行われていると聞くが、それでも手術となるとカラダへの負担は小さくない。できることなら、ここまで悪化しないように気をつけたい。

 そもそも、「できるなら薬を飲みたくない」という人も多いのではないだろうか。「逆流性食道炎と診断されてしまったが、薬は飲みたくないので、重症化しないようにしたい」というわがままな酒好きのために、秋山さんから生活面でのアドバイスをいただいた。

酒好き医師が教える もっと! 最高の飲み方

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