日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > ダイエット・食生活  > 左党の一分  > 日本人のがんリスク 飲酒の影響が大きい部位は  > 3ページ目
印刷

左党の一分

日本人のがんリスク 飲酒の影響が大きい部位は

飲酒とがんリスク【後編】「酒の通り道」になる部位がリスク大

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

お酒を飲むことが習慣化してしまうのが怖い

 財津さんによると「お酒を飲むことが習慣化してしまうのが怖い」という。確かに、左党の多くは、さして飲みたくもないのに、飲むことが「クセ」になっている人が多いように思う。夕方になったら当たり前のようにカシュッとビールのプルトップを開ける、風呂あがりに水代わりにチューハイを飲む、仕事帰りにコンビニに寄って酒を買ってしまう…。左党がよく行う日常のクセを挙げたらキリがない。

 「まずはこうした『飲むクセ』の行動を変えていくといいですね。最初は週一でいいので、飲まない日『休肝日』を作ってみましょう。ここで『一生で飲むお酒の量は決まっている』と考えてみてください。休肝日で『飲まない日貯金』をして、『飲酒寿命』を延ばすことを考えてみるのです」と財津さんは提案する。もちろん、休肝日を取ったからと、翌日倍の量を飲んでしまっては総量が変わらず、元の木阿弥である。飲む日も酒量は増やさず、できたら減らす方向にしたい。

 繰り返すが、少量飲酒によるがんのリスクを考えた場合、重視すべきは「酒量」だ。休肝日の翌日も酒量を増やさず、「飲まない日」を貯金し、長く飲むための「飲酒寿命」を延ばしていきたい。

 このほか、財津さんは、「お酒をストレス発散の道具にしたり、睡眠導入剤代わりにするのも避けてください」と話す。確かにこうした行動もまた「習慣化」を促進してしまいそうだ。

 最後に、財津さん自身が飲酒について日々気をつけていることを教えていただいた。

 「私自身もそうですが、他の方にお勧めしているのが『お酒と一緒に水を飲むこと』です。血中アルコール濃度の急激な上昇を抑制する効果もありますし、アルコールによる脱水を防ぐのにも役立ちます。このほか、一気に飲まない(ゆっくり飲む)、酒だけを飲まずに食べ物も一緒にとる、といったことも実践してください」(財津さん)

 水を飲むことは、アルコールによるダメージを少なくさせ、悪酔い、二日酔いを防ぐことにつながる。本連載で登場した先生方が推奨しているのはもちろん、日本酒造組合中央会でも、日本酒の合間に水を飲むことを推奨している。

◇     ◇     ◇

 イギリスでは公衆衛生キャンペーンの「Dry January」(1月の禁酒月間)、オーストラリアでは募金活動でアルコールをやめることを奨励する「Sober October」(10月の禁酒月間)があり、世界的に見ても「健康のために酒量を減らそう」という動きが高まっているように思う。

 酒にはいい面も、悪い面もある。そして今回の研究から、日本人において、少量の飲酒であってもがんのリスクがあることが明らかとなった。これからの人生、お酒を長く楽しむためにも、カラダに留意しながら、お酒の「総量」を意識し、「飲まない日貯金」を今日から始めてみてはいかがだろうか?

(図版:増田真一)

財津將嘉(ざいつ まさよし)さん
獨協医科大学医学部 公衆衛生学講座 准教授
財津將嘉さん 2003年九州大学医学部卒業、2016年東京大学大学院博士課程修了(医学博士)。東大病院、墨東病院、北里大学病院、関東労災病院にて泌尿器科と麻酔科の臨床および研究に従事。2016年より東京大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学 助教およびハーバード公衆衛生大学院客員研究員、2020年4月より現職。生活習慣(とくに飲酒)と免疫機能を介したがんおよび循環器疾患の社会格差が研究テーマ。社会医学系指導医、日本泌尿器科学会指導医、麻酔科標榜医。
酒好き医師が教える もっと! 最高の飲み方

先頭へ

前へ

3/3 page

がん
飲酒
キーワード一覧へ
日経グッデイ春割キャンペーン

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 肩の痛みから高血圧まで、「姿勢の崩れ」は様々な不調の原因に

    「姿勢」が、肩こりや腰痛の原因になることを知っている人は多いだろうが、足の痛みや高血圧、誤嚥性肺炎まで、全身の様々な不調・疾患の原因になることをご存じの方は少ないかもしれない。これまでに掲載した人気記事から、姿勢と様々な病気・不調との関係について知っておきたいことをコンパクトにまとめた。

  • あなたも「隠れ心房細動」?! 高齢化で急増する危険な不整脈

    脈の速さやリズムが乱れる「不整脈」。その一種である「心房細動」は、高齢化に伴い患者数が増加しており、潜在患者も含めると100万人を超えると言われている。心房細動の怖いところは、放置すると脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす可能性があることだ。本記事では、心房細動の症状や早期発見のコツ、治療のポイントなどをコンパクトにまとめた。

  • 変形性膝関節症のつらい痛みを改善する運動とは?

    年を取ると多くの人が感じる「膝の痛み」。その原因で最もよくあるケースが「変形性膝関節症」だ。膝が痛いと外出がおっくうになり、体を動かす機会が減るため、そのまま何もしないとますます足腰が衰えてしまう。だが実は、変形性膝関節症の痛みをとり、関節の動きを改善するために有効なのが、膝への負担を抑えた「運動」なのだ。ここでは、膝の痛みが起きる仕組みから、改善するための運動のやり方までをまとめよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設 日経Gooday春割キャンペーン

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.