ウコンといえば、左党の大切なパートナー。私もそうだが、飲み会前にウコンのサプリを飲んでいる人は多いだろう。だが、このウコン、肝機能に問題がある人は控えた方がいいという話がある。脂肪肝の人などは悪影響が出る可能性があるという。これは本当だろうか。その真偽を専門家に直撃した。

飲み会の前はウコン入りのサプリやドリンク剤を飲む―。
多くの左党にとっては「常識」、いわば“飲み会前の儀式”のひとつと言ってもいいだろう。私自身もウコン入りのドリンク剤を飲んでから酒を飲むのと、飲まずに酒を飲んだ時では酔いのまわり方が違うと感じるし、事前に飲んだ後の翌朝は、いつもよりスッキリしているように思う。「ああ、やっぱりウコンのおかげだな」と改めてウコンのすごさに感心したりする。
ところが、今年初めに、そんな悪酔いレスキューの助っ人・ウコンに効果がないという情報がネットをかけめぐった。単に噂レベルではなく、ネタ元が「Journal of Medicinal Chemistry」というアメリカの権威ある雑誌で発表された論文なだけに、ちょっとした騒動にもなったのだろう。こちらの論文はウコンに含まれるクルクミンという成分の効果について検証したもので、論文の中身も薬効を否定しているわけではない(*1)。ネットのニュースでもその後、記事に補足がなされ、騒動は沈静化した。
さて、話題になったこのウコン、実は、肝機能に問題がある人は控えた方がいいという話を聞いた。脂肪肝の人などは悪影響が出る可能性があるという。以前の記事でも紹介したが、日本人の成人の3人に1人は脂肪肝といわれているのだから、決して他人事ではない(こちらを参照)。
ウコンといえば、冒頭で触れたように、多くの左党が頼りにする存在なのに控えた方がいいとは…。ここは真偽を確かめなければなるまい。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科 准教授で、肝臓障害に詳しい浅部伸一さんにウコンの肝臓への影響について話をうかがった。