日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > ダイエット・食生活  > 左党の一分  > このまま飲み続けたら薄毛になる!?  > 3ページ
印刷

左党の一分

このまま飲み続けたら薄毛になる!?

ネットに流布する「アルコールは薄毛の原因になる」は本当か

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

心身ともに健康でいることが何より大事

 小林さんは、「つまるところ『心身ともに健康でいること』が髪の健康につながるのです。ですから、お酒を我慢することが、その人のストレスになるくらいなら、飲んだほうがずっといいと言えます」と話す。

 「ですが、度を越えて飲んでしまうのは逆効果です。過度な飲酒は、髪の毛はもちろん、体のさまざまなところに悪影響を及ぼします。というと、どのくらいまで飲んでいいかが気になると思いますが、一般に適量といわれる純アルコール量(*1)に換算して20g程度を目安にするといいでしょう。日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度です。アルコールの代謝には個人差がかなりありますので一概には言えませんが、この程度であれば頭皮への血流がよくなるなど髪にとってプラスに働く面もあると考えてもよいかもしれません」(小林さん)

*1 「飲んだ量(ml)」×「アルコール度数(10%なら0.1)」×「0.8」で計算できる。

 確かに自分の意志に反して飲むのを我慢すると、ストレスからか、やたら甘いものを食べたりしてしまう。お酒は適量までなら飲んでいいと聞いてホッとした。ただし、飲み過ぎはNGだ。

意識して摂取したいタンパク質や亜鉛

 次に、髪の健康を保つために、酒量以外の食生活では、何をどう気をつけたらいいのだろう? 前述のように、太りすぎは悪影響を及ぼす可能性があるので、肥満や肥満気味の人は、食べる量を減らすなどしてダイエットしたほうがよさそうだが、個別の食材はどうすればいいのだろうか。左党としては、おつまみ選びの参考にもしたいところである。

 これについて小林さんは、「育毛効果が期待できる成分についての報告もありますが、基本的に『これさえ食べれば薄毛が予防できる』というものはありません」と話す。

 ただし、髪が健康に育つために欠かせない栄養素が不足しないように、意識して食べてほしい食材・栄養素はいくつかあるという。まず小林さんが挙げたのがタンパク質だ。

 「肝臓はアルコールを代謝する際、タンパク質を多く必要とします。特に重要なのは髪の主成分であるケラチン(タンパク質)です。ケラチンは、18種類のアミノ酸から構成されていますが、中でも大切なのがメチオニンです。メチオニンは体の中で生成されない必須アミノ酸なので、食材から摂取するしかありません。それらを多く含むのが魚介でいえばマグロ赤身、シラス、肉類は鶏胸肉、豚ロース、植物性タンパク質なら納豆、豆腐などです」(小林さん)

 「ダイエットしている人は、カロリーを気にして魚介類や肉類を控えるケースがありますが、それでは健康な髪の毛は生えてきません。毎食タンパク源を1種類は取り入れてください」(小林さん)

亜鉛は肉類に多く含まれている。生牡蠣も豊富だ。(c)Valeriy Lebedev -123rf

 この食材からおつまみを考えると、マグロ納豆、シラスおろし、鶏胸肉のハムなどが挙がる。腹持ちのいいタンパク質をしっかり食べておけば、「飲んだ後の糖質で〆」のゴールデンコースを選択する確率が低くなるので、BMIの数値がアップするのを防ぐことができそうだ。

 小林さんはミネラル分についても意識するといいと言う。「クリニックでも推奨しているのが亜鉛です。亜鉛は細胞の新陳代謝に不可欠な物質で、200種類を超える酵素の働きをコントロールしています。特筆すべきはジヒドロテストステロン(DHT)を生成する5α-リダクターゼという還元酵素の分泌を抑制する働きがあるということです」(小林さん)

 「亜鉛は発毛には欠かせないミネラルですが、日本人の亜鉛摂取量は十分とは言えません。亜鉛はタタミイワシ、生牡蠣、ビーフジャーキー、パルメザンチーズなどに多く含まれていますので意識してとるようにしましょう」(小林さん)

 おお、全部、そのままおつまみになりそうな食材ばかりではないか。亜鉛を多く含む食品を下にまとめたので参考にしてほしい。亜鉛というと牡蠣を想像する人も多いと思うが、肉類にも多く含まれている。もちろん、サプリメントで補充するという手もありだろう。

亜鉛の食事摂取基準(mg/日)
男性18~29歳男性30~69歳女性18~69歳
推奨量10mg10mg8mg
『日本人の食事摂取基準2015年版』より
亜鉛を多く含む食品
魚介類カキ2個(正味40g)5.3mg
ホタテ貝1個(正味80g)2.2mg
イイダコ1ぱい(45g)1.4mg
ズワイガニ(水煮缶詰)1/2缶(60g)2.8mg
カラスミ1/4腹(25g)2.3mg
肉類豚レバー80g5.5mg
牛肩肉(赤肉部分)角切り3切れ(90g)5.1mg
牛もも肉(赤肉部分)薄切り3枚(90g)4.6mg
その他玄米ごはん1膳(150g)1.2mg
納豆1パック(50g)1.0mg
『栄養素の通になる第2版』より
酒好き医師が教える再考の飲み方

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 健康寿命を左右する「全粒穀物と食物繊維」の摂取方法

    今、世界的に「全粒穀物」の健康効果が注目されている。全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患、総死亡率が低くなるという研究報告も出ている。その健康効果の中核となっているのが「食物繊維」だ。食物繊維が体にいいことはよく知られているが、主に便通などに影響するものと軽視されがち。だが、食物繊維不足は生活習慣病と密接な関係がある。本特集では、主食の選択が及ぼす健康効果から、注目の大麦の健康効果、穀物以外の食物繊維のとり方までを一挙に紹介する。

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

  • 寝ても取れない疲れを取るには?

    「疲労大国」といわれる日本。「頑張って仕事をすれば、ある程度疲れるのは当たり前」「休む間もないほど忙しいが、やりがいがあるから、さほど疲れは感じない」などと思っている人も多いかもしれない。だが、睡眠時間を削るような働き方を続けていると、知らぬうちに疲れはたまる。結果、「寝てもなかなか疲れがとれない」という状態に陥るばかりか、免疫力の低下や、生活習慣病の発症につながることは多くの研究で知られている。疲労の正体から、疲労回復の実践的な方法までをまとめた。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Goodayマイドクター申し込み

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.