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左党の一分

健康効果というと、なぜ赤ワインばかりが取り上げられるのか

カベルネが健康効果が大きい!? 熟成でさらに向上

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

ポリフェノールとはそもそも何か?

 「赤ワインが注目されるようになったのは、豊富に含まれるポリフェノールによるものです。確かに、ポリフェノールはお茶などの他の飲料や食品にも含まれていますが、赤ワインは圧倒的に含まれている量が多いのです。緑茶と比べると、赤ワインには実に6倍ものポリフェノールが含まれているのです。ポリフェノールはビールや日本酒など、他の醸造酒にも含まれていますが、赤ワインの含有量は圧倒的です」(佐藤教授)

 赤ワインの健康効果の話になると、必ずといっていいほど出てくる「ポリフェノール」。そもそもポリフェノールとは、何なのだろうか?

 「ポリフェノールは、植物が光合成によって生成する色素や苦味の成分で、活性酸素による酸化からカラダを守る抗酸化物質です。植物が自らを守るために作り出した成分なので、基本的に植物ならポリフェノールを含んでいます。ポリフェノールは5000以上の種類があり、赤ワインに含まれる代表的なものは、アントシアニン、リスベラトロール、タンニンなどが挙げられます」(佐藤教授)

 「ポリフェノールは亀の甲のような形をしたベンゼン環に、ヒドロキシ基(OH基)がついた“フェノール”と呼ばれる物質が複数結合した構造をしています。OH基が多いほど抗酸化作用が強くなります」(佐藤教授)

ポリフェノールは、フェノール(図の左側)が複数結合した化合物の総称だ。OH基が多い物質ほど抗酸化作用が強くなる
[画像のクリックで拡大表示]

 「ワインは含まれるポリフェノールの量が多いだけでなく、カラダに吸収されやすいという特徴があります。前述のようにポリフェノールは、野菜や果物にも豊富に含まれていますが、野菜や果物の組織内に含まれるポリフェノールは、水に溶けにくいため人の腸で吸収されにくいのです。一方、ワインには体内に吸収されやすい“溶解した形”で多量に存在しているため、体内に効率よく取り込まれるのです」

 佐藤教授によると、「ブドウの果皮と種子に多くのポリフェノールが含まれている」という。赤ワインは果皮、果汁、種子のすべてを加えて発酵させ、発酵を終えた後も特有の色や渋みを出すため、しばらくそのまま漬け込む。果皮と種子を除いて仕込む白ワインに比べ、赤ワインのポリフェノールが豊富なのは、こうした醸造法の違いが大きく影響している。

ぶどうのポリフェノールは主に、果皮と種子に含まれている。果汁などにも少量含まれるが、全体の数%程度と少ない
[画像のクリックで拡大表示]

 白ワインやスパークリングワインにもポリフェノールは含まれているが、含有量は赤ワインに比べて少ない(次ページのグラフを参照)。ちなみに、佐藤教授によると、白ワインでも樽貯蔵したタイプは含有量が多いという。樽に使われる木からポリフェノールがワインに移る。カリフォルニアの白ワインのように樽の香りが強いものはポリフェノールが多く含まれるのだ。

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