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左党の一分

謎多き「二日酔い」の真相、実は軽い離脱症状だった!?

二日酔いには水と糖分! お勧めはオレンジジュース

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

二日酔いには水と糖分! オレンジジュースもお勧め

 最後に、二日酔いの予防、そしてなってしまった後の対策も樋口さんに聞いておこう。あの不快な状況に陥るのは避けたいところだし、先に挙げた知人のように、二日酔いを繰り返しているうち、アルコール依存症になってしまうなどという事態は絶対に避けたい。先生、どうなのでしょうか。

 「何度も聞いていらっしゃると思いますが、大前提として飲み過ぎは禁物。前述のように二日酔いの詳しいメカニズムはまだ未解明ですが、『飲み過ぎ』によって起こることは間違いありません。基本は、酒量を抑えること。適量(純アルコールに換算して20g)を守ってください」(樋口さん)

 「飲み過ぎないことを前提に、先に説明した、醸造酒より蒸留酒、色付きのお酒より透明なお酒を選ぶといった工夫も、もしできるなら実践するといいでしょう。また、スパークリングワインやビール、ハイボールといった炭酸系のお酒は、胃の蠕動運動が促進されることで腸でのアルコールの吸収を促進、血中アルコール濃度が上がりやすく、酔いやすいので注意が必要です」(樋口さん)

 また、お酒と共に水(チェイサー)もきちんととるようにする、蒸留酒などアルコール度数の高いお酒は、水で割って飲むといったことも実践してほしいと樋口さんは話す。

 加えて、「血中のアルコール濃度が急激に高くならないように、食べながら飲むことも必須です。食べながら飲むことは、低血糖状態を防ぐことにもつながります。前述したように二日酔いの原因の1つに低血糖があります。そして、脱水症状を防ぐためには、お酒を飲みながら水をとることです。量はもちろんですが、飲み方も大事です」(樋口さん)

 空きっ腹に飲むハイボールのおいしさったらないんだけど…、二日酔いを回避するためには食べてからが基本である。

 では、予防の効果もなく、二日酔いになってしまったときには何が効くのだろう?

二日酔いになったときはオレンジジュースを。(c)monticello-123RF

 「まずは水分の摂取です。そして糖分です。二日酔いの気持ち悪い状態から少し回復しつつあるとき、甘いものをとると調子が良くなるケースがよく見られます。このことから、私はオレンジジュースを勧めています。ゆっくりですが血糖値が上がります。脱水症状と低血糖の解消というダブルの効果が期待できます」(樋口さん)

 果物などに含まれる果糖(フルクトース)は、昔からアルコールの分解を早めることが知られているのだそうだ。オレンジジュースはこの果糖を多く含んでいることもあり勧めているのだと樋口さんは話す。

 ちなみに、よく二日酔いを改善しようとサウナに行く人がいるが、あれはどうなのだろうか。

 「汗をかいてもお酒は抜けません。さらに、脱水症状をさらに促進させてしまうので危険です。さらに不整脈のリスクも高まります。絶対にやめましょう。お風呂も同様です」(樋口さん)

 私の周囲のつわものどもは皆、「酒抜けないからサウナ行ってくる」というタイプが多く、私もサウナに行けば「汗をかいて酒が抜け、二日酔いが治る」と思っていたが、どうやら正反対のことをしていたらしい…。

 樋口さんによるとサウナや風呂は「さっぱりしたことで、酒が抜けたと勘違いしてるだけ」とのこと。二日酔いの何よりの特効薬は「安静にしていること」だそう。脱水しきったカラダでサウナに行くという、無駄な努力をする前に、適量を守る努力をしたほうがよさそうだ。

樋口 進(ひぐち すすむ)さん
独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター院長
樋口 進さん 1979年東北大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部精神神経科学教室に入局、1982年国立療養所久里浜病院(現・国立病院機構久里浜医療センター)勤務。1987年同精神科医長。1988年米国立衛生研究所(NIH)留学。1997年国立療養所久里浜病院臨床研究部長。副院長を経て、2012年から現職。日本アルコール関連問題学会理事長、WHOアルコール関連問題研究・研修協力センター長、WHO専門家諮問委員(薬物依存・アルコール問題担当)、国際アルコール医学生物学会(ISBRA)前理事長。
酒好き医師が教える最高の飲み方

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