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左党の一分

謎多き「二日酔い」の真相、実は軽い離脱症状だった!?

二日酔いには水と糖分! お勧めはオレンジジュース

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

アセトアルデヒドが二日酔いと関係するというデータはない!?

 一般にお酒の害というと、本連載でも繰り返し説明してきたように、アセトアルデヒドを思い浮かべる人が多いだろう。私もかつては、二日酔いの原因は、「二日酔いは毒性の強いアセトアルデヒドが分解され切れずにカラダに残り、それによって気持ち悪くなったり、カラダがだるくなったりする」のだと信じて疑わなかった。

 本連載を読まれている人にとっては“耳タコ”かもしれないが、少しフォローさせていただくと、体内に入ったアルコールは主にアルコール脱水素酵素(ADH1)によりアセトアルデヒドになり、さらに主に2型アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により酢酸に分解される。この過程で出るアセトアルデヒドは毒性が高く、体にさまざまな悪影響を及ぼす。本連載でも最近、骨粗しょう症や食道がんなどへの影響を紹介したばかりなのでご記憶の方も多いだろう。

 先生、実際問題、アセトアルデヒドと二日酔いの関係はどうなっているのでしょうか?

 「実は、血中のアセトアルデヒドが二日酔いと関係していることを示すデータは驚くほどありません。『アセトアルデヒドが残留する=二日酔い』と思われがちですが、それは誤解です。二日酔いの方を検査しても、血中からアセトアルデヒドが検出されることは稀(まれ)、ほぼゼロです」と樋口さんは話す。

 樋口さんによると、お酒を飲んでも顔が赤くならない(=アルコール耐性の強い)人がお酒を飲んでいる最中に検査しても、同じくアセトアルデヒドはほぼ検出されないのだという。「これはアルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素によって、早々に分解されてしまうからと考えられます。また、お酒を飲んで顔が赤くなる人の場合でも、アセトアルデヒドが検出されるのは初期の段階だけ。時間がたつにつれ、アセトアルデヒドは検出されなくなります。こうしたことからも、二日酔いの直接原因は、アセトアルデヒドではないと考えられます」(樋口さん)

 ただし、お酒を飲んで赤くなる人(ALDH2の活性が低い人=アセトアルデヒドの分解能力が低い人)は、二日酔いになりやすいという報告があると樋口さんは話す。このため「もしかするとアセトアルデヒドそのものではなく、その後遺症が関係している可能性もあります」(樋口さん)という。

色のついたお酒は二日酔いになりやすい?

お酒の種類によって、二日酔いの度合いが変わることがある。(c)monticello-123RF
[画像のクリックで拡大表示]

 では、冒頭でも紹介した、酒類の違いによる影響はどうなのだろう?

 私の場合で言うと、赤ワインは他の酒よりも酔うように思う。また「焼酎(蒸留酒)はいいけど、日本酒(醸造酒)は記憶をなくすから飲みたいけど飲めない」という方は意外と多い。

 樋口さんは、「詳しい機序は解明されていませんが、酒類によって二日酔いの度合いが変わることはあります」と話す。例えば、色がついているお酒とそうでないお酒、そして醸造酒と蒸留酒により二日酔いのなりやすさが違う傾向が見られるという。

 お酒の色については、「ウイスキーとジンを、同じアルコールの濃度・量飲んだ場合、ウイスキーのほうが二日酔いが起こりやすいという報告があります。また、赤ワインと白ワインを比較すると、赤ワインのほうが二日酔いになりやすいという報告があります」(樋口さん)

 赤ワインの話などは、個人的な体験からも納得だ。だが、なぜなのだろうか。

 樋口さんは「色のついたお酒のほうが、お酒に含まれる成分が多いことが原因」だと話す。お酒に含まれる、水とエチルアルコール(エタノール)以外の成分は「コンジナー」と呼ばれる。

 初めて耳にする人も多いであろうコンジナー。水とアルコール以外の成分だから、これはお酒の風味や個性を決める重要な要素になるわけだが、樋口さんによると、基本的にコンジナーが多いお酒のほうが二日酔いを招きやすいのだという。

 蒸留酒に比べ、醸造酒のほうが二日酔いを起こしやすいといわれるのも、同様に、コンジナーの量で説明できるという。

 「蒸留酒は、醸造酒を蒸留して製造されます。この蒸留過程により、アルコールの濃度が高まると同時に、コンジナーは大幅に減ります。蒸留酒は翌日残りにくいといわれるのも、この影響が大きいのではないかと考えられます」と樋口さん。

 もちろん個人差(体質)もあるだろうが、大きな傾向として「色のついたお酒より透明なお酒」「醸造酒より蒸留酒」を選んだ方が二日酔いのリスクは減らせそうだ

 となると、透明な蒸留酒である本格焼酎などは最適ではないか!と樋口先生に話すと、「そもそも蒸留酒はアルコール度数が高いですから注意してください。二日酔いのリスクが低いからといって飲み過ぎては元も子もありません。二日酔いの最大の原因は飲み過ぎですから」とすぐさま釘を刺された。

酒好き医師が教える最高の飲み方

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