「風邪の引き始め」に限っては軽い運動もお勧め
ここまで紹介した風邪予防をしてもなお、「リスクゼロ」というワケにはいかないのが忙しい現代人である。「あれ、もしかして風邪引いちゃったかも?」となった場合、どう対処したらいいのだろう? 昔から言われる「安静にしている」ことが一番いいのだろうか?
「いえいえ、そんなことはありません。私は『風邪かな?』と思ったらスポーツクラブで5分ほど泳ぎます。『えっ!?』と思いますよね(笑)。実は軽い運動をすることによって、免疫のために働くNK細胞が活性化されるのです。水泳に限らずウォーキングでもOK。逆に激しい運動をしてしまうと免疫力が落ちるので注意しましょう」(大谷さん)
軽い運動をしてもいいのは、あくまで「風邪の引き始め」の時だけである。「風邪の症状が強く出ていたら運動は避け、安静にしてください」と大谷さん。なお、軽い運動といっても、人によってレベルが異なるので、自分に合った運動をセレクトしよう。

「風邪の引き始めに軽い運動」で軽いジャブをくらったところで、さらに大谷さんは驚くアドバイスを付け加えた。
「風邪の引き始めには、サウナも有効と考えられます。これも『えっ!?』と言いたくなりますよね。前回も解説しましたが、風邪の代表的なウイルスの1つライノウイルスは、33℃程度では活性化しますが、37℃以上になると増殖しづらくなることが知られています。こうしたことからも、サウナに入ってカラダを温めることに意味があると考えられます。実際、私が米ミシガン大学に留学していたときの友人は、風邪の引き始めにサウナに入ると話していました」(大谷さん)
では、日本人が大好きなお風呂は? 「もちろんサウナに限らず、お風呂でも効果は期待できると考えます。寝る1~2時間前にお風呂に入り、湯冷めしないうちに布団に入るようにしましょう」(大谷さん)
かつては「風邪を引いたらお風呂はNG」が常識だったと思うが、ここで情報をアップデートしておかねばならない。確かに風呂に入ったほうがカラダも温まるし、リラックスすることもあってか、眠りの質も良くなると感じる。大谷さんは、「十分な睡眠もまた風邪予防には大切」と話す。
◇ ◇ ◇
乾燥が続き、寒い時期の間、風邪やインフルエンザの流行はまだまだ続く。お酒は適量を守りつつ小分けにして飲む、そしてアップデートされた風邪予防対策でしっかりケアを行い、万全の体調でうまい酒を飲みたいものだ。
池袋大谷クリニック 院長

大谷先生の新著『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』が発売になりました!
代わりのいないあなたへ!
30年以上、病気なし!
■大谷 義夫(著) |

