お正月の休みが明けて体重計に乗ると、明らかに体重が増えている、ということはないだろうか。こうした「正月太り」は、酒の飲み過ぎが原因で起こるのか。それとも、おせち料理などの食べ過ぎが原因なのか。そして、正月太りを解消するためには、どんな食材をとるといいのか? 酒ジャーナリストの葉石かおりさんが、管理栄養士で大人のダイエット研究所代表の岸村康代さんに話を聞いた。

年始明けに怖いもの、それは体重計である。
年末に仕事を納めた後の解放感、そして「お正月だからいいか」という悪魔の言葉のダブル攻撃によって、戒めから解き放たれた酒飲みの食欲&酒欲はとどまることを知らない。
特に正月は、「飲んでください」とばかりのアテが並ぶおせち料理がトリガーとなる。暖房の効いた暖かい部屋で、ゴムのパンツをはいて朝からおせちをつまみながら飲む酒といったらもう……。この甘やかし状態を三が日にわたって繰り広げるのだから、太らないワケがない。そして1月4日の朝、体重計に乗って悲鳴を上げるのが恒例となっている。
いや、「恒例」とか言っている場合ではない。普段せっかく厳しい体重管理をしているのに、たった数日間で、その努力が水の泡になってしまうなんて! いったい、太るのは酒が原因なのか、正月料理の食べ過ぎが原因なのか。ここはもう、ダイエットのプロに、正月太りの原因と、それを解消する方法について指導していただくしかない。数千人のダイエット指導を行ってきた管理栄養士で、大人のダイエット研究所代表の岸村康代さんにお話を伺った。
おせち料理の「味付け」に秘密が…
先生、すっかり“巨大化”してしまいました(涙)。年末年始って、どうしてこう太るんでしょう?
「ズバリ、食べたり飲んだりして摂取したエネルギーの量と、体を動かして消費したエネルギーの量のバランスが悪いのです。普段は、通勤などで歩いたり、駅の階段を上り下りしたりしていますが、年末年始はそれがなくなり、運動量がぐっと少なくなります。それに加え、お休みなので時間もあります。暇を持て余すと、口さみしくなって、つい食べてしまう。動かないのに、必要以上に飲んだり食べたりする。これが太ってしまう原因です」(岸村さん)
うう、耳が痛い。分かっていても、年末年始は欲望が抑えられなくなる。さらに今は、新型コロナウイルスの影響でステイホームが良しとされているので、外出しなくなり、ますます運動量は減るばかりである。
動かないのにだらだら食べてしまうのに加え、おせち特有の味付けもまた、正月太りを促進する「負のループ」を作ってしまうという。
