日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > ダイエット・食生活  > 左党の一分  > 健康診断の結果が悪い人が酒を飲み続けるとどうなる?  > 2ページ目
印刷

左党の一分

健康診断の結果が悪い人が酒を飲み続けるとどうなる?

γ-GTPだけじゃない、血糖、血圧、中性脂肪、コレステロールと酒の関係

 葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト

肝臓と胆嚢(のう)、胆管の構造
肝臓と胆嚢(のう)、胆管の構造
健康診断の検査値でおなじみの「γ-GTP」は、胆管でつくられる酵素だ。肝臓の細胞が壊れると血液中に放出されるため、その量によって肝機能を調べることができる(原図=123RF)

 酒を飲み過ぎて肝臓に脂肪がたまる「アルコール性脂肪肝」になると、γ-GTPの値は高くなる。γ-GTPが100を超えるような場合は、脂肪肝などによって肝臓に障害が起きている可能性があるので、医療機関を受診したほうがいいそうだ。

 「ただし、γ-GTPはアルコールに敏感に反応するので、肝臓に大きな障害がなくても、普段からよくお酒を飲む人は値が高くなります。そのような場合は、一定期間禁酒したあとにまた検査すれば、γ-GTPは下がります。一定期間禁酒したあとの検査でもγ-GTPが下がらなければ、やはり肝臓などに障害がある可能性が高くなります」(浅部さん)

 γ-GTPは肝機能に関するメジャーな検査値だが、アルコールの影響を受けやすく、検査の前によく飲んだ日が続くと高く出てしまうことがある。また、酒にすごく強い人は、たくさん飲んでもγ-GTPがあまり上がらず、気づかないうちに肝臓がダメージを受けているということもある。この値だけを見て肝機能を判断するのはキケンなのだ。

 γ-GTPよりも浅部さんが「怖い指標」と考えているのは、「ALT」だ。ALTは肝臓でつくられる酵素で、アミノ酸の代謝に関わる働きをしている。肝臓の細胞が壊れると血液中に放出されるため、やはり肝機能の指標として使われている。

 「ALTの基準値は、5~30U/Lです。これが50を超えるような場合は、医療機関を受診してください。もし100を超えたら、脂肪肝や慢性肝炎の疑いがありますので要注意です」(浅部さん)

脂肪肝は、肝硬変や肝臓がんにつながることも

 酒飲みに多いのは、何と言っても脂肪肝だろう。脂肪肝とは、何らかの原因で肝臓の細胞の30%以上に脂肪(中性脂肪)が蓄積している状態のことだ。前回、解説したように、酒を多く飲むと中性脂肪がたまりやすくなるので、脂肪肝は酒飲みの宿命といえるかもしれない。

 浅部さんは、「日本人の成人の約3割は脂肪肝であるという報告もあります。特に中高年男性なら半数が脂肪肝であると考えられるぐらい、身近なものです」と指摘する。

 脂肪肝がやっかいなのは、放置するとやがて肝臓がカチカチに硬くなる「肝硬変」につながる場合があることだ。

 「脂肪肝には、いくつか種類があります。お酒を飲み過ぎた人がなるのが『アルコール性脂肪肝』、お酒をあまり飲んでいなくても食べ過ぎや運動不足などで肝臓に脂肪がたまるのが『非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLD:ナッフルディー)』です。脂肪肝は男性に多い疾患ですが、閉経後の女性も注意が必要です」(浅部さん)

 NAFLDの80~90%は、長期にわたって経過を見ても脂肪肝のままで病気は進行しない(単純性脂肪肝)。しかし、残りの10~20%は徐々に悪化して、肝硬変や肝臓がんを発症することがある。この脂肪肝から少しずつ進行していく病気は、「非アルコール性脂肪肝炎NASH:ナッシュ)」と呼ばれる。

肝機能・脂肪肝
飲酒
キーワード一覧へ

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 疲労解消は「脳の疲れ」をとることから

    しつこい「疲労」の正体は、実は脳の自律神経の機能の低下であることが近年の疲労医学の研究で明らかになってきた。本記事では、放置すると老化にもつながる「疲労」の怖さとその解消法を、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

  • 長年の悩み「腰痛」を解消! 痛みを和らげる体操4選

    腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.