ごはんは余計なものを含まない優秀な主食
「炭水化物を適量とるという意味では、主食はごはん、パン、めん類のどれを選んでもいいですが、生活習慣病予防という観点から薦められるのは、塩分や脂質をほとんど含まないごはんです」(上西氏)

糖質 55.2g
食物繊維 0.5g
エネルギー 252kcal
脂質 0.5g
塩分 0g

糖質 26.6g
食物繊維 1.4g
エネルギー 158kcal
脂質 2.6g
塩分 0.8g

糖質 16.8g
食物繊維 0.7g
エネルギー 179kcal
脂質 10.7g
塩分 0.5g

糖質 41.6g
食物繊維 1.6g
エネルギー 210kcal
脂質 0.8g
塩分 0.6g

糖質 36.0g
食物繊維 3.0g
エネルギー 198kcal
脂質 1.5g
塩分 0g
パンはプレーンな食パンなどにも意外に脂質、塩分が含まれていることがわかるだろう。とくに、クロワッサンやデニッシュなどは、バターがたっぷり使われているため、驚くほど脂質が多い。
また、めん類にも塩分が含まれているものが多い。めん類には必ず、かけ汁やつけ汁がつくので、汁の塩分や脂質がプラスされ、塩分や脂質が多くなりがちだ。
1日の食塩摂取の目標量は、成人男性で8g未満、女性で7g未満なので、主食からはできるだけ塩分を取らないようにしたい。そのためには、ごはんをベースにするのが安心だ。
ごはんは食べ過ぎれは太りやすくなるが、適量であれば、むしろ、ダイエットや生活習慣病予防・改善の強い味方になる。「ごはんをベースにした和食」を今一度、見直してみてはいかがだろうか?
(写真:安田裕)
女子栄養大学栄養生理学研究室教授

徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了後、雪印乳業生物科学研究所を経て、1991年より同大学に勤務。
専門は栄養生理学、特にヒトを対象としたカルシウムの吸収・利用に関する研究など。
『日本人の食事摂取基準2015年版』策定ワーキンググループメンバーを勤める。