日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > ダイエット・食生活  > 知ってトクする栄養学  > “ごはんは太る”は思い込み?
印刷

知ってトクする栄養学

“ごはんは太る”は思い込み?

第4回 デンプンを味方につけてダイエットを成功させよう

 村山真由美=フリーエディター・ライター

いろいろな健康法やダイエット法が流行っては廃れていく昨今。情報が多すぎて「何をどれだけ食べたらいいか」がわかりにくい時代。だからこそ、栄養の基本のキを押さえておきましょう。今回は炭水化物を取り上げます。

炭水化物と糖質はどう違う?(©evgenia sh-Fotolia.com)

 炭水化物のもっとも重要な役割は、エネルギー源になることだ。『日本人の食事摂取基準2015年版』では、三大栄養素(正確にはエネルギー産生栄養素)であるたんぱく質、脂質、炭水化物のうち、50~65%を炭水化物から摂取することを基準としている。

 ところで、近年、「低炭水化物ダイエット」や「糖質オフダイエット」などが話題だが、“炭水化物”と“糖質”の違いをご存じだろうか? 

糖質と食物繊維は切っても切れない仲

 炭水化物は、消化吸収されてエネルギー源になる糖質と、消化吸収されない食物繊維に分かれる。つまり、炭水化物は糖質と食物繊維の合計ということになる。

 炭水化物=糖質+食物繊維

 食物繊維はエネルギー源にならないし、血糖値も上げない。それどころか、便秘や生活習慣病の予防・改善に役立つ。つまり、ダイエットの際に控えたいのは、厳密にいうと、炭水化物のうちの糖質ということになる。

 しかし、「糖質を多く含むものは、食物繊維も多く含んでいます。その代表が穀類。ですから、ダイエットなどで主食の摂取を極端に控えると、食物繊維が不足しやすくなります」(女子栄養大学栄養生理学研究室教授・上西一弘氏)。

 食物繊維というと、ごぼうやきのこなどを思い浮かべるかもしれないが、実は、我々は穀類から大半の食物繊維をとっているのだ。「野菜やヨーグルトを積極的にとっているのに、便秘が改善しない…」という人は、主食の量が不足していないだろうか?

吸収されやすい糖質と吸収されにくい糖質

 糖質は、最小単位である単糖の結合数によって、単糖類、少糖類、多糖類に分けられる(表)。単糖は「これ以上分解できない状態」なので、体内に入るとすぐにエネルギー源として使われる。一方、単糖が複数結合している多糖類は、ブドウ糖に分解される過程を経るため、エネルギーになるまでに時間がかかる。

主な糖質の種類
分類含まれている主なものや特性
糖質単糖類ブドウ糖果物やはちみつなど
果糖果物やはちみつなど
ガラクトース乳汁
少糖類二糖類ショ糖砂糖
乳糖乳汁
麦芽糖麦芽、水あめ
オリゴ糖人工甘味料
多糖類デンプン穀類、いも類、豆類
グリコーゲン動物の肝臓や筋肉
デキストリンデンプンを加水分解したもの

 ブドウ糖は血液を通して各細胞に運ばれて利用される。つまり、分解の必要のない単糖類や、分解に時間がかからない二糖類は、急激に血糖値を上げ、すばやくエネルギー源になる。

 しかし、急激に血糖値を上げると、それを下げるインスリンというホルモンも多く分泌される。インスリンはブドウ糖を脂肪に変えて蓄える働きがあるため、肥満につながりやすい。つまり、同じエネルギー量の糖質なら、単糖類や少糖類よりも多糖類のほうが太りにくいといえるのだ。

 とくに、穀類やいも類などに含まれるデンプンには、消化吸収されずに小腸を通過し、食物繊維と同様の働きをする“レジスタントスターチ”が含まれるのが特徴だ。もともと食物繊維が豊富な上に、レジスタントスターチも含んでいるので、消化吸収がゆっくりになる。つまり、穀類やいも類は腹持ちがいいのだ。

 「“ごはんを食べると太る”というのは思い込み。むしろ、主食を変に制限することで、太りやすくなっている人が多いように思います」(上西氏)

 主食の量を控えると甘いおやつが我慢できなくなったり、脂質やたんぱく質を多くとらないと満足できなくなる。その結果、かえって太りやすくなってしまうのだ。主食は極端に制限するよりも、毎食適量を食べて、おやつを控えるほうが、ダイエットには効果的なのだという。

1/2 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

ダイエット・食生活カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • もの忘れと将来の認知症の関係は?

    「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」…。“もの忘れ”は、ミドル以上なら誰にでも経験があるもの。本特集では、もの忘れの原因は何なのか、将来の認知症につながるのかなどについて紹介する。

  • 健康寿命を左右する「全粒穀物と食物繊維」の摂取方法

    今、世界的に「全粒穀物」の健康効果が注目されている。全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患、総死亡率が低くなるという研究報告も出ている。その健康効果の中核となっているのが「食物繊維」だ。食物繊維が体にいいことはよく知られているが、主に便通などに影響するものと軽視されがち。だが、食物繊維不足は生活習慣病と密接な関係がある。本特集では、主食の選択が及ぼす健康効果から、注目の大麦の健康効果、穀物以外の食物繊維のとり方までを一挙に紹介する。

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.