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知ってトクする栄養学

流行り廃りの激しい油、何をとればいい?

第3回 今どきの油のとり方

 村山真由美=フリーエディター・ライター

体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸

 中鎖脂肪酸を多く含む油も人気だ。中鎖脂肪酸とは脂肪酸の種類を表す言葉ではなく、脂肪酸を構成する炭素数の多少によって「短鎖脂肪酸(炭素数4~7)」「中鎖脂肪酸(炭素数8~12程度)」「長鎖脂肪酸(炭素数12程度~)」と分類する際に使われる。

 植物油のほとんどが長鎖脂肪酸だが、「ココナッツ油やパーム油など一部の油には中鎖脂肪酸が含まれます。中鎖脂肪酸は消化・吸収の過程が長鎖脂肪酸と違い、吸収が早く、肝臓で素早く分解されてエネルギーとして利用されます。そのため、体内に蓄積されにくく、食後の血中中性脂肪が増加しにくい傾向にあります。肥満の人や、体脂肪が気になる人に薦められます」(上西氏)。

トランス脂肪酸の正体を知っておこう

 とりすぎに注意したい脂肪酸のうち、ちょっと特殊なものがトランス脂肪酸だ。トランス脂肪酸は自然界にも存在するが、主に、以下3つの場合に生じるといわれている。

  • 植物油を化学処理(水素添加)して固形にするときに生じる(マーガリンやショートニングなど)
  • 植物油を精製する際、脱臭の過程で生じる(精製植物油など)
  • 油を高温で加熱する調理のときに生じる(揚げ物など)

 トランス脂肪酸を多くとると心臓病のリスクが高くなるといわれ、アメリカなどでは加工食品の栄養表示において、トランス脂肪酸の含有量の表示が義務づけられている。

 「日本人は欧米人に比べてトランス脂肪酸をとる量が少ないので、普通に食事をしている限り、さほど心配はいりません。しかし、ファストフードの揚げ物、菓子類、インスタント食品、買ってきた弁当などばかり食べている人は注意が必要です」(上西氏)

 ファストフートなどではショートニングを使ってフライドポテトやドーナッツが揚げられていることが多い。ショートニングはサクサク、パリパリした軽い食感を出すのが得意なので、こういった食感の市販の菓子類にもトランス脂肪酸が多く含まれている。

 

 また、市販の揚げものは植物油を何度も使い回している場合が多いため、やはりトランス脂肪酸が含まれている可能性が高い。揚げ物は新しい油を使って自分で揚げ、すぐに食べるのが安心だ。

食品にはいろいろな脂肪酸が含まれている

 これまでいろいろな脂肪酸の特徴について解説してきたが、実際の食品には、どれか1つの脂肪酸が単独で含まれていることは、まずない。植物油の例をみてみよう(グラフ)。魚、肉、大豆などの食品も、このように脂肪酸を複合的に含んでいることを知っておこう。

(公益財団法人日本油脂検査協会資料より作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 ちなみに、紅花(サフラワー)油やひまわり油は、かつてはリノール酸を多く含む植物油の代表だったが、現在出回っている商品はオレイン酸が多く含まれる「ハイオレック種子」から製造されているため、オレイン酸が豊富なものが多い。また、最近のマーガリンはトランス脂肪酸の発生を抑えたものが多くなっている。

 このように、植物油や植物油をつかった商品には、複雑な歴史や事情があるため、選び方が非常に難しい。一概に何がいい、何が悪いとはいいにくいのが実情だ。

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