日経グッデイ

知ってトクする栄養学

1食に小鉢いくつ? 野菜不足にならない外食の法則

第26回 外食で野菜350gをとるコツ

 村山真由美=フリーエディター・ライター

 忙しい毎日、夕食をコンビ二弁当や外食ですませる人も多いだろう。「外食は野菜が不足する」といわれるが、実際にはどれくらい不足していて、何をどれだけ食べればいいのだろうか?

野菜を350g=野菜料理を小鉢5つ分

例えばラーメンにはどのくらい野菜が含まれていて、不足しているとしたらどう足せばいいのだろうか。「野菜を350g=野菜料理を小鉢5つ分」の法則を知っていれば、もう野菜不足にはならない! ©reika7 -123rf

 「これだけは知っておきたい!コンビニ昼食のバランスアップテク」の記事で、コンビニ食の弱点は、「たんぱく質が足りない、炭水化物が多い、脂質が多い」の3点だということを述べた。これは、PFCバランス(*1)からみた傾向だが、ビタミン、ミネラル、食物繊維についてはどうだろう。

*1 三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物の摂取比率。『日本人の食事摂取基準(2015年版)』では、エネルギー産生栄養素バランスとされている。

 ビタミン、ミネラル、食物繊維を含むものといえば野菜だ。

 そこで、目安になるのが、厚生労働省、農林水産省が作成した『食事バランスガイド』の「サービング」の考え方だ。

 これは、ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする副菜は、「小鉢1つあたりに約70gの材料が使われている」と考えるものだ。この1つを「1サービング」としている。

 つまり、厚生労働省が目標に掲げる「1日350gの野菜類」をとるには、野菜類が主材料の小鉢を5サービングとればいいことになる。量の誤差を考えると、6サービングとれば安心だ。

1人分の小鉢には、野菜、きのこ、いも、豆、海藻類が約70g使われていると考える(乾物は戻した重量)。小鉢といっても味噌汁なども含む
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 1日に野菜類を5~6サービング食べると野菜が350gとれる、と考えるとイメージしやすくなるだろう。1日3食を均等に分けるとしても、1食に2サービング程度を食べるのが理想となる。

コンビニ弁当や外食の野菜類は「1サービング程度」

 さて、「外食だと野菜が不足する」とよくいわれるが、実際に、市販の弁当や外食にはどれくらいの野菜類が含まれているのだろうか(*2)。

*2 『食事バランスガイド』では、薬味や彩りなどで少量使う野菜類は主材料として含まないが、ここでは含めて計算した。参考/『エネルギー早わかり』(女子栄養大学出版部)

◆ラーメン(ねぎ、たけのこ)35g

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予想通り野菜類はちょっぴり。ラーメンなら、野菜が豊富なタンメンを選んだり、ワカメをたっぷりトッピングするなどの工夫を。

◆のりさけ弁当
(のり、さやえんどう、にんじん、大根、じゃがいも)69g

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野菜類はつけ合わせ程度。幕の内弁当のようなものは、野菜の煮物などがしっかり入っているものを選びたい。

◆中華丼
(白菜、たけのこ、にんじん、さやえんどう、きくらげ、ながねぎ)85g

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野菜がたっぷり入っているイメージだが、思いのほか少なく、1サービング程度。これだけでは十分とはいえない。

◆ハンバーガーセット
(きゅうり、トマト、レタス、玉ねぎ、コーン、ピーマン)102g

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ハンバーガーには野菜類はほとんど入っていないが、サラダがついているセットにすると1サービングを超える野菜類がとれる。

 1サービングは70gだ。上記をみると、1サービングに満たないものから、1サービングをちょっと超える程度のものが多い。つまり、外食やコンビニ食には、1サービングの野菜類をプラスするとちょうどよくなるのだ。

野菜ジュースは野菜を食べる場合の倍量で1サービング

 ちなみに、『食事バランスガイド』では、野菜ジュースは100~210gで1サービングとなっている。つまり、ジュースの状態ではない通常の野菜を食べる場合の倍量で1サービングとなっているのだ。

 「野菜ジュースを飲んでいるから野菜はとれているという人がいますが、野菜ジュースは加工によって失われる成分があるため、野菜を食べることとイコールにはなりません。ジュースはあくまでも補助的に利用しましょう」(上西氏)

 「外食=体に悪い」というのは、野菜が不足しやすいという点では一理ある。しかし、食べ方次第では野菜不足をカバーすることは簡単だ。コンビニ食を選ぶ際や、外食のメニュー選びの際には、「1日に野菜類を5~6サービング」をイメージしよう。

(イラスト:Akiko Takagi)

上西一弘(うえにし・かずひろ)さん
女子栄養大学栄養生理学研究室教授
上西一弘(うえにし・かずひろ)さん 徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了後、雪印乳業生物科学研究所を経て、1991年より同大学に勤務。
専門は栄養生理学、特にヒトを対象としたカルシウムの吸収・利用に関する研究など。
『日本人の食事摂取基準2015年版』策定ワーキンググループメンバーを務める。