果物を食べると太るはウソ?
果物は体にいいのはわかったが、「太るのでは?」と心配している人も多いだろう。
バナナ | 21.4 |
ぶどう | 15.2 |
柿 | 14.3 |
りんご | 13.1 |
いちじく | 12.4 |
パイナップル | 11.9 |
キウイフルーツ | 11.0 |
みかん | 11.0 |
なし | 10.4 |
メロン | 9.8 |
すいか | 9.2 |
グレープフルーツ | 9.0 |
桃 | 8.9 |
いちご | 7.1 |
アボカド | 0.9 |
果物に含まれる果糖、ブドウ糖、ショ糖などは、糖の結合数が少ないため、デンプンなどに比べると体内に吸収されやすい。これが「果物を食べると太る」説の根拠の一つだが、「糖尿病や脂肪肝などで糖質を制限されている人は別として、健康な人は果物を1日200g程度とっても問題ありません。確かに、食べすぎれば太りやすくなりますが、“抗酸化”という側面を考えると、やはり、果物は食べたほうがいいでしょう」(上西氏)
ちなみにアメリカの研究では、「果物は肥満や生活習慣病の原因にはならない」とする報告も複数ある(*)。
果物に期待できる栄養素として、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルを挙げたが、なかには、バナナのように糖質の供給源となるものもある。
「バナナはエネルギー源として優れていますが、果物の摂取目安量の200gをとろうとすると、約2本食べることになります。糖質が多い果物をとりすぎると太りやすくなるのは事実なので、肥満が気になる人は、バナナよりもみかんやキウイフルーツなど、ほかの果物を選ぶといいでしょう」(上西氏)
果物は健康や美容に役立ち、生活習慣病も予防してくれる強い味方だ。過度に敬遠することなく、上手に取り入れよう。
Glinsmann,W.H.et al.:Evaluation of health aspects of sugar contained in carbohydrate sweeteners.Report of Sugars Task Force,1986.J. Nutr. 116:S1-S216.(1986)
Apple. L.J.et al.:A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure. DASH Collaborative Research Group.Engl. J. Med., 336:1117-1124.(1997)
FAO Food and Nutrition Paper No66. Carbohydrates in Human Nutrition .Report of a Joint FAO/WHO Expert Consultation. FAO Rome(1998)
女子栄養大学栄養生理学研究室教授

専門は栄養生理学、特にヒトを対象としたカルシウムの吸収・利用に関する研究など。
『日本人の食事摂取基準2015年版』策定ワーキンググループメンバーを務める。