ビールがおいしい季節だ! しかし、尿酸値が気になる人にとって、プリン体の多いビールとの付き合い方は気になるところ。ビアガーデンや居酒屋に行く前に、尿酸値とビールの関係について知っておこう。

知っておきたいこと その1
アルコール自体が尿酸値を上げるため、
プリン体を控えるだけではダメ
尿酸値が高い人はプリン体の多い食品を控えたほうがいいということは、よく知られている。ビールはプリン体が多いので、「ビールをやめて、プリン体を含まない発泡酒や焼酎にすればいいだろう」と思っていないだろうか?
しかし、アルコール自体に、尿酸の産生を増加する働き(下図の【1】)や、尿酸の排泄を阻害する働き(【2】)、利尿作用により尿酸を濃縮させる働き(【3】)があり、結果的に尿酸値を上げてしまうことは意外に知られていない。
ビールや食品に含まれるプリン体の摂取(【4】)をやめるだけでは、尿酸値は下がらないことを知っておこう。アルコール自体の摂取を控えることが大切だ。
知っておきたいこと その2
肥満者はやせると尿酸値も下がる!
「プリン体の制限」より「総エネルギーの制限」を主眼に
尿酸値が高い人は、肥満、とくに内臓脂肪型肥満の人が多いといわれる。肥満の人が体重を落とすと尿酸値が下がることが分かっているので、食べ過ぎ、飲み過ぎを控え、適度な運動を取り入れて肥満を解消しよう。
プリン体は、実は、食事から取り込まれるだけでなく、私たちの体内でも常に作られていて、その割合は体内で作られるもののほうが多い。そのため、食事からのプリン体の影響はさほど多くないと考えられている。
また、プリン体はいろいろな食品に含まれているため、気にしすぎると栄養のバランスが崩れてしまう。現在では、プリン体を警戒しすぎるよりも、総エネルギーを抑え、栄養バランスよく食べることのほうが重要だといわれている。
- 次ページ
- ビール3杯は1食分のエネルギーに匹敵
