知っておきたいこと その4
水を十分に飲み、尿量を増やして尿酸を排泄しよう
とくに、飲酒時は意識して水を飲むべし

尿酸は体内で日々作られるので、尿でどんどん出すことも有効だ。この場合、適している飲み物は水だ。
前述したが、アルコールは体内で尿酸を作ったり、尿酸の排泄を阻害してしまう。それだけではない。アルコールは利尿作用があるため、飲んだ量よりも尿が多く出てしまう。つまり、ビールを飲むと体の水分量が減って尿酸が濃縮され、尿酸値が上がってしまうのだ。
のどが乾いているときは体の水分が減っているため、尿酸値は上昇している。このときビールを飲むと、さらに尿酸値を上げてしまうので注意が必要だ。のどが乾いているときは、まずは、水を飲もう。ビールを飲むならその後だ。ビールを飲んでいる間も水を飲むようにすれば、ビールの飲み過ぎを予防することもできる。
(イラスト:Akiko Takagi)
●『高尿酸血症・通風の治療ガイドライン 第2版』
●『日本人の食事摂取基準2015年版』
●『尿酸値をしっかり下げるコツがわかる本』(学研パブリッシング)
女子栄養大学栄養生理学研究室教授

徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了後、雪印乳業生物科学研究所を経て、1991年より同大学に勤務。
専門は栄養生理学、特にヒトを対象としたカルシウムの吸収・利用に関する研究など。
『日本人の食事摂取基準2015年版』策定ワーキンググループメンバーを勤める。