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知ってトクする栄養学

加工食品を食べすぎると骨粗鬆症になりやすい!?

第18回 とりすぎに注意したいリンとヨウ素

 村山真由美=フリーエディター・ライター

 これまでは、主に不足しがちな栄養素について解説してきたが、今回はとりすぎに注意したいミネラルについて解説する。食品添加物として広く使われているリンや、東日本大震災の際に注目されたヨウ素についてだ。

リンは骨を形成したり、エネルギー代謝の仲介役として働く

加工食品に添加物として使われるリンは、とりすぎるとカルシウムの吸収を阻害するので要注意。(©niloo138123-rf)

 リンはミネラルの一種だ。英語ではphosphorusというが、これはギリシア語のphos(光)+phorus(運び屋)が語源だといわれている。リンはよく燃える性質を持つため、マッチにも利用されてきた。

 「人魂(ひとだま)は、人体から抜け出したリンが自然発火したものだといわれますが、実際には不明です」(女子栄養大学栄養生理学研究室教授の上西一弘氏)

 リンはカルシウムに次いで、私たちの体内に多く含まれているミネラルで、体重の約1%を占める。リンはカルシウムと結合して骨を形成したり、エネルギー代謝を仲介したりする重要なミネラルだ。

 「リンは細胞に含まれる成分の1つなので、広く一般の食品に含まれています。これまで不足することはなかったため、日本では長い間、必要量が決められていませんでした。現在でも、研究が不十分なため、推定平均必要量と推奨量は設定せず、目安量と耐容上限量だけが設定されています」(上西氏)。

リンの食事摂取基準(成人)(mg/日)
目安量耐容上限量
男性10003000
女性8003000
「日本人の食事摂取基準2015年版」より
リンを多く含む食品(mg)
ウナギの蒲焼き1串(100g)300
キンメダイ1切れ(60g)294
ワカサギ5尾(正味80g)280
マカジキ1切れ(100g)270
イワシ2尾(正味110g)253
カツオ(春獲り)刺し身5切れ(80g)224
マグロ(赤身)刺し身6切れ(80g)216
シシャモ3尾(50g)215
アジ1尾(正味80g)184
豚レバー1回量(80g)272
鶏レバー焼きとり2本(60g)180
鶏ささみ2本(80g)176
ロースハム3枚(50g)170
その他玄米ごはん1膳(150g)195
牛乳コップ1杯(180g)167
「栄養素の通になる 第2版」より

加工食品をよく食べる人は、リンをとりすぎているかも!?

 

 「リンをとりすぎると、副甲状腺機能の亢進(こうしん:異常に活発になること)や腎機能の低下が起こります。また、リンはカルシウムの吸収を阻害するので、骨粗鬆症のリスクを高めます」(上西氏)。

 2013年の国民健康・栄養調査によると、リンの平均摂取量は、成人男性1069mg、成人女性913mgとなっている。目安量と耐容上限量の間におさまっているので、一見、問題ないように感じられる。しかし、ここには落とし穴がある。

 「実は、リンは加工食品に食品添加物として広く使用されています。しかし、国民健康・栄養調査では、加工食品に添加されているリンの量は加算されていません。ですから、実際のリンの摂取量はこれより多いと予想されます」(上西氏)

 食品添加物としてのリンは、加工食分の成分表に、ポリリン酸、ピロリン酸、メタリン酸などと表示されている。「結着剤として肉や魚の練り製品、ハム、ソーセージなどに用いられたり、品質改良材として麺類や漬物などに利用されています」(上西氏)。

 リンのとりすぎを防ぐためには、加工食品をとりすぎないことだ。これに尽きる。

 不足よりもとりすぎが問題になるミネラルはまだある。それは、日本人はまず不足することがないといわれるアレだ。

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