血圧の調整や骨の健康をサポート
マグネシウムは体内に25gほど存在し、その50〜60%は骨に含まれている。残りは多くが細胞内液、筋肉、脳、神経、血液などに分布し、全身の300種を超える酵素の働きを助けている。
「マグネシウムは骨にカルシウムが行き渡るように調整し、骨の形成を助けたり、カルシウムやナトリウムの量を調整して、血圧や血液の循環を正常に保っています」(上西氏)。つまり、マグネシウムは血圧や骨の健康が気になる人にもすすめられるミネラルだ。
マグネシウムを超硬水でとる手もある
日本の水は軟水が多く、欧米の水は硬水が多いといわれるが、水の硬度は、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を炭酸カルシウムの量に換算したものだ。
超硬水にはマグネシウムが豊富に含まれているものがある。例えば、ドイツの「ゲロルシュタイナー」には100mL当たり10mg、フランスの「コントレックス」には、100mL当たり7.4mgのマグネシウムが含まれている。
「ヨーロッパではカルシウムやマグネシウムの多いミネラルウオーターが、ダイエット目的の人に人気です。マグネシウムにより排便状況がよくなることが期待できますし、カルシウムの体重の増加を抑える可能性が研究されています」(上西氏)。
これらは天然水なので、にがりやサプリメントでミネラルをとるよりもすすめられると上西氏は言う。自分のライフスタイルに合わせて、上手にマグネシウムを取り入れてみよう。
女子栄養大学栄養生理学研究室教授

徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了後、雪印乳業生物科学研究所を経て、1991年より同大学に勤務。
専門は栄養生理学、特にヒトを対象としたカルシウムの吸収・利用に関する研究など。
『日本人の食事摂取基準2015年版』策定ワーキンググループメンバーを勤める。