
「間食は3度の食事でとりきれないエネルギーや栄養素を補うために食べるもので、不足しがちなカルシウムや食物繊維がとれるものがおすすめです。カルシウムは牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品に、食物繊維は穀類、芋、果物、ナッツなどに多く含まれています。果物は若い世代では食べない人も多いですが、ビタミンCやファイトケミカル(*1)が豊富で、免疫力を高めて病気を予防したり、ストレスから身を守る働きがあります。果物は1日200gが目安です」(上西氏)
菓子よりおにぎりのほうが太らない
おにぎりや焼き芋のような糖質を、間食でとるのも一策だ。
最近、糖質制限ダイエットが流行しているため、ごはんやパンなどの主食を抜いたり、量を減らしたりしている人が多い。しかし、「主食を変に制限することで、かえって太りやすくなっている人が多いように思います」(上西氏)
主食を制限したら甘いものが無性に食べたくなった、という経験はないだろうか。「せっかくごはんを抜いたのに、食後に菓子をドカ食いしてしまった」というのは、糖質制限中によくある失敗談だ。
「菓子に多く使われている砂糖のショ糖は、単糖が2つつながった2糖類なので、分解に時間がかかりません。そのため、食べると急激に血糖値を上げます。一方、穀類や芋のデンプンは、単糖が複数結合している多糖類なので分解に時間がかかります。また、デンプンには消化されずに小腸を通過し、食物繊維と同様の働きをするレジスタントスターチも含まれるため、血糖値の上昇が緩やかです」(上西氏)
つまり、同じ糖質量なら、砂糖がたっぷりの菓子よりも、おにぎりや焼き芋のほうが太りにくく、生活習慣病になりにくいといえるのだ。「主食を控えて、お菓子をたくさん食べるのは本末転倒です。痩せたいのなら、ごはんは毎食適量を食べて、菓子類を控えるほうが有効です」(上西氏)
では、「糖質が多い果物はどうなの?」と心配する人もいるかもしれない。しかし、果物に多く含まれている果糖やブドウ糖、ショ糖は、糖の結合数は少ないが、肥満や生活習慣病の原因にはならないとする報告が複数ある(「結局、果物は体にいいのか、悪いのか」参照)。食物繊維やビタミンがとれる点からも、菓子を食べるよりも健康的なことは確かだ。
また、最近人気のナッツだが、ナッツは食物繊維のほかに、脂質やたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む。つまり、非常に栄養価が高い。エネルギーが多いので食べ過ぎには注意が必要だが、おやつにおすすめの食品といえる。
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