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失敗しない 糖質ちょいオフ食事術

あなたの糖質制限はここが間違っていた!

糖質は「オフ」より「コンシャス」。賢くとってリバウンドを防ごう

 村山真由美=フリーエディター・ライター

 「急激に減量すると、脂肪だけでなく筋肉がやせてしまい基礎代謝がグッと落ちます。また、脳が命の危険を感じ、消費エネルギーを抑えて体重を維持しようとするため、やせにくく太りやすい体質になってしまうのです。減量とリバウンドを繰り返すことを“ウエイトサイクリング”といいますが、極端な糖質制限はこの状態を招きやすいので要注意です。また、糖質を極端に制限すると、本来肝臓に貯蔵されるべき中性脂肪が不足します。すると、体は生きていくための手段として、体中から中性脂肪をかき集めきて肝臓に送り込み、蓄えようとします。極端な場合、低栄養性脂肪肝を引き起こすことがあります」(栗原氏)。

主食抜きの極端なオフは原則NG

 つまり、糖質はとりすぎてもとらなさすぎてもリスクがあるということだ。「1カ月に1kg以上体重が落ちるようなダイエットは、糖質を減らしすぎている可能性があります。リバウンドがなく、一生健康的に続けられるのは、糖質“ちょいオフ”ダイエットです」(栗原氏)。

 管理栄養士で料理研究家の牧野直子氏も、糖質の“ちょいオフ”をすすめる。「日本人はエネルギーの約6割を糖質からとっているので、主食を完全に抜くと栄養バランスが崩れてしまいます。ラーメン+チャーハンのような糖質の重ね食いをしている人は、かなりの見直しが必要ですが、糖質は適度にとり運動習慣を取り入れた方が減量には効果的です。最近では、糖質は『オフ』より『コンシャス』だといわれています。糖質についてよく知り、賢くとることをおすすめします」(牧野氏)。

 次回からは、具体的な糖質“ちょいオフ”食事術を紹介していこう。

医学界における糖質制限論争の行方

  糖質制限は日本では目新しいが、欧米では既に一般的なダイエット法であり食事療法だ。アメリカでは、医師のロバート・C・アトキンス氏や、リチャード・K・バーンスタイン氏などが独自の糖質制限法を提唱し、2000年代の始めごろ大流行した。

 日本では、京都・高雄病院の江部康二氏が糖質制限食の体系を確立する。2009年に作家・宮本輝氏との共著で出版した『我ら糖尿人、元気なのには理由がある。』(東洋経済新報社)がベストセラーになり、糖質制限が一般に広く知られるようになった。

 日本の糖尿病の食事療法はカロリー制限が主流で、糖質制限は異端視されてきた。しかし、カロリー制限よりも取り組みやすく、減量や血糖値改善の効果が出やすい点が多くの糖尿病患者に支持を得て大ブームとなっている。しかし、日本糖尿病学会は、長期間続けた場合の効果や安全性を示す科学的根拠が不足しているとして、カロリー制限を最優先とする姿勢を崩していない。2013年3月の『日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言』では、極端な糖質制限は現時点では薦められないと結論づけている。

6カ月間の比較でカロリー制限食よりもHbA1cが改善

 2014年1月、北里研究所病院糖尿病研究センター長の山田悟氏らが、日本人の2型糖尿病患者を被験者とした「糖質制限食 vs. カロリー制限食」の無作為化比較試験の結果を報告した(*)。1食の糖質量を20~40gとするゆるやかな糖質制限を6カ月行ったところ、カロリー制限群(12人)に比べて糖質制限群(12人)ではHbA1cと中性脂肪値が有意に改善し、また、腎機能や脂質代謝は悪化しないことがわかった。小規模で、長期間続けた場合のデータではないが、ゆるやかな糖質制限の有効性、安全性を裏付ける1つの知見となった。

 糖質制限は糖尿病患者の食事療法にとどまらず、一般のダイエット法としても大きな注目が集まっている。その是非を問う意味でも今後の研究が待たれるところだ。

* Yoshifumi Yamada, et al. Intern Med. 2014;53:13-9.
栗原毅(くりはら たけし)さん
栗原クリニック東京・日本橋院長
栗原毅(くりはら  たけし)さん 医学博士。慶應義塾大学特任教授。前東京女子医科大学教授。
東京女子医科大学病院及び同大学付属の医療施設に勤務後、2008年に開業。消化器内科学、特に肝臓病を専門とし、C型肝炎のインターフェロン療法に定評がある。早くから「糖尿病や動脈硬化につながるメタボの上流に脂肪肝がある」ことを提唱し、脂肪肝の治療や予防に力を入れている。
著書・監修書は『糖質ちょいオフダイエット 90日ダイアリーつき』(講談社)、『肝機能をしっかり高めるコツがわかる本』(学研パブリッシング)など多数。

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