メンテナンス1 乗る前の空気圧
宮崎さん「タイヤの空気、毎回入れてますよね?」
私「え!! 抜けてると思った時だけに入れればいいんじゃないんですか!?」
「スポーツバイクはタイヤ内の空気圧が高いため、乗っていない状態でも少しずつ空気が抜けてしまいます」と宮崎さん。ママチャリでもしばらく乗らない期間があると、タイヤの空気が抜けてベコベコになっていることがあります。私は、乗る前にタイヤを指で押してみて、簡単にへこんでしまうときに空気を入れればいいのかと思っていました。
しかも、スポーツバイクはママチャリと空気を入れるバルブ(入口)の形状が違うといいます。「いわゆるママチャリは英式バルブ、スポーツバイクは仏式バルブが使われています」(宮崎さん)。
英式バルブは金属の軸の中に通称、虫ゴムと呼ばれるゴム製の弁が付いているものです。高い空気圧には耐えられない上、空気圧の微調整はできないそうです。一方、仏式バルブは先端に金属製の小さなナット(ネジ)が付いていて、ナットを緩め、先端を押し込むとチューブ内の弁が開く構造です。高圧での充てんが可能で、タイヤ内の空気圧を測ることができるのが特徴です。
バルブの構造が違うと、使える空気入れの口金も違うと宮崎さんが教えてくれました。ということは、今、私が使っているママチャリの空気入れは、英式バルブにしか使えない…。クロスバイク用に新調しなくてはいけないので、どのような空気入れがいいか尋ねると
宮崎さん「タイヤの空気圧がひと目でわかるゲージ付きのものが、絶対いいですよ!」
「空気圧がひと目でわかる…??」 私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになってしまいました。
宮崎さんによると、自転車はタイヤによって適切な空気圧が決められていて、ママチャリのタイヤは2.5~5bar(*)ほど。クロスバイクだと3~6bar、ロードバイクだと8barを超えるものもあるそうです。適切な空気圧は、タイヤのへりに書かれています。ちなみに、我が愛車(ママチャリ)のタイヤは2.8~4.5bar、本企画でブリヂストンサイクルからお借りしているCYLVA F24に装着されているタイヤは3.5~5.9barでした。低い空気圧(空気が抜けている状態)のまま乗ると、パンクしやすくなるといいます。
確か自動車教習所でも「空気圧が低いと、タイヤがパンクしやすくなる」と習ったことがあります。でもなぜパンクしやすくなるんだっけ…。
「空気が抜けたまま走ると、タイヤにかかる荷重によってタイヤの側面に撓み(たわみ)ができてしまいます。そのまま段差に乗り上げるとタイヤの内側に入っているチューブがタイヤとリム(ホイールの外周)にはさまれてチューブに穴が開いてしまうのです」(宮崎さん)
宮崎さんによると、空気圧が高い方がタイヤの接地面が小さくなり、効率的に走ることができるそうです。素人考えで、タイヤに目一杯空気が入っている方が荷重に耐えきれず、パーン!と勢いよく破裂してしまうのではないかと思っていましたが、決められた数値内ではそのような心配はないそうです。「タイヤに書かれている空気圧の範囲で、自分の好きな乗り心地を見つけてください」(宮崎さん)。
*barとは…メートル法の圧力の単位の1つ。空気圧を表す単位はこのほかに、psi(pound per square inch:重量ポンド毎平方インチ)やkPa(キロパスカル)などがある。
