日経グッデイ

ママチャリライダーがセンチュリーライドを目指してみた

ホノルルセンチュリーライドに向け、いざ出発!

万全の準備でセンチュリーライドに挑んでみた

 中西奈美=日経Gooday

2015年9月27日、ホノルルセンチュリーライド2015が開催されました。現地での体調を万全にするため、5日前に出国。初めての“飛行機輪行”(旅先で自転車に乗るために自転車を飛行機で運ぶこと)です。今回は、出国からセンチュリーライド前日の「プラクティスライド」までの様子をお伝えします。

羽田空港のチェックインカウンターにて。相棒が入った箱がこのままベルトコンベヤーに乗せられるのかと思いきや、職員がカートに乗せて運んでいきました。

 日本では敬老の日と秋分の日がうまい具合に並び、「シルバーウイーク」ともてはやされた大型連休の最終日。遅い夏休みを兼ね、東武トップツアーズの「ホノルルセンチュリーライド2015ツアー」を利用して、イベント開催日より5日早く着くように羽田からホノルルへと旅立ちました。

 もちろん、相棒のロードバイク(FELT ZW7)も一緒です。今回はツアーの「自転車運搬無料サービス」を使い、自分が搭乗する同じ便の飛行機に預け入れることができました。自宅から空港までの輸送は運送会社にお願いしたため、自転車は私よりもさらに2日早く出発。自転車を梱包した大きなダンボール箱と羽田空港で再会するも、すぐにチェックインカウンターで預け入れ。相棒はほかの手荷物とは別に、カートに乗せて運ばれていきました。

一番の敵で、まず解消しなければならない「時差ボケ」

 さて、今回は遅い夏休みを兼ねてホノルルセンチュリーライドの開催日より数日も早く着くよう余裕をもって出発した…と書いたのですが、早めに出発したのにはもう1つ理由がありました。「時差ボケ対策」です(日本との時差はマイナス19時間)。

 普段から、徹夜などで生活リズムが一度狂うと、翌日以降のやる気も注意力もダウン。とにかくパフォーマンスが下がり、復活にも時間がかかることは分かっていたので、あらかじめ調整日を入れておいたのです。

 午前0時(ホノルルは前日の午前5時)近くに離陸した飛行機の中では、現地時間を意識して仮眠をとる程度にとどめました。

手厚いサポートで自転車もホテルに到着!

 ホノルル空港に着陸後、入国審査の手続きをしているうちに、バゲッジクレームのターンテーブルが回り始めていました。旅行用かばんは次々と出てきますが、自転車が出てくる気配が全くありません。近くの空港係員に聞くと、「預け入れ荷物とは別にエレベーターで降りてきますよ」とのこと。

 待っていると、エレベーターから自転車の入った箱が現れました。あった! 箱が潰れたり、歪んだりはせず、預けた時のままのきれいな状態。カートに乗せて税関を通過すると、出迎えてくれた現地のスタッフが預かってくれて、私は送迎用の車に乗り込みました。

 ホテルのチェッインを済ませ、日本から持ってきた荷物を部屋で広げていると、呼び鈴が鳴り、ダンボール箱に入ったまま自転車のお出ましです! 状態が心配だったのですぐに開封して、組み立てましたが全く問題なし。途中、離発着の空港内で自転車をカートで運んだだけだったので、いつもの海外旅行と手間はさほど変わりませんでした。

相棒を輪行用の段ボール箱から取り出したところ。異常はありません。
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3日目から朝の自主トレ開始! 右側通行を走ってみた

 到着した次の日は時差ボケで頭にモヤがかかったような状態だったので、自転車は部屋で眺める程度。そして3日目からは、早起きを兼ねて(センチュリーライド当日は4時起き!)ダイヤモンドヘッドの周りを走る、自主トレを決行です。スマートフォンの地図アプリを片手に、自転車で走れそうな道を探って進みました。

ハワイの道は自転車に寛大です。自転車専用レーンのほか、このような看板が立っています。(©Tom Grundy-123rf)

 アメリカでは車両は右側通行なので、車列の右側を走らなくてはいけません。でも、東京とは違い、いたるところに自転車専用レーンがありますし、「SHARE THE ROAD」と書かれた看板が車道に立っていて、自動車の運転手も理解があるように感じました。

 でも、右側通行ということは…「右足を着いて止まらなくてはいけない」と私は思い込み、停車の直前は常にヒヤヒヤしました。

 ちなみに、クロスバイクに乗っていた時に使っていたビンディングですが、ロードバイクでは、ホノルルに来る2週間前から使い始めたばかり(LOOK KEO クラシック2)。まだ右足を先に外して停まったことがありません。頭では「かかとを外側にずらすようにして外す」ことはわかっていてもうまく外れず、転倒しかけたので、無理はせずに左足を着いて停まることに決めました。自転車ごと倒れて、後続車にひかれてしまったら後がないですし…。

 さて、肝心な時差ボケは、到着した翌日が一番辛く、徹夜状態でその日はやり過ごしましたが、その次の日からは自主トレで朝日を浴びたためか、すぐに解消! いつもの自分を取り戻すことができました。

スコールは定番だけど…雨が多い、最近のホノルル

 ホノルルセンチュリーライド2015開催の2日前の夕方、ホテルのロビーで本企画のアドバイザーであるサイクルライフナビゲーターの絹代さん、東武トップツアーズ ハワイ支店長の橘田旦さんと顔合わせを兼ねた当日の打ち合わせをしました。橘田さんはベテランライダーであり、絹代さんとともに、私と一緒に160km(100マイル)を走ってもらうようお願いしてありました。

 挨拶もほどほどに、「今年は、ダイヤモンドヘッドが緑色をしているんですよ、見ました?」と橘田さん。例年は緑が少なく赤茶色をしたダイヤモンドヘッドが、今年は雨が多く、植物に覆われている状態なのだそう。

ホテルのベランダから見えたダイヤモンドヘッド。確かに緑色をしています!
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 それを象徴するかのように、センチュリーライドの前日から当日にかけて、なんと天気予報に雨マークが付いてしまいました。太平洋の南に台風が発生していて、秒速20mの風が吹くとの予報も! センチュリーライド前日に当たる明日は、ツアーの目玉である「プラクティスライド」にも参加する予定なので、雨対策に何かを買う時間がもうない…。

 濡れたウエアや肌着で体を冷やさないように、最悪の場合に備えてビニール製のゴミ袋を持参するようアドバイスをもらいました。ビニール袋をベストのように着て、雨を受けやすい肩からお腹までを重点的に守るのです。

奇跡が起きた!? 前日のライドで上り坂を克服!

 次の日(センチュリーライド前日)は海からの風が強いものの、朝は雨が止んでいました。午前中は東武トップツアーズ主催の「初中級者向け 直前走り方講座」、昼からは同じくツアー主催の「プラクティスライド」が控えています。雨よけにビニール袋を使うようにアドバイスをもらいましたが、翌日までには手に入らなかったので念のため、薄いウインドブレーカーを用意して挑みます。

 「初中級者向け 直前走り方講座」は、センチュリーライドのスタート地点でありゴール地点でもある、カピオラニ公園で行われました。参加者は絹代さんと、ツール・ド・フランスに出場し、現在はレース解説者としてもお馴染みの今中大介さんを囲んで、翌日の本番での注意点について説明を受けます。

東武トップツアーズのツアーを利用したセンチュリーライド参加者が絹代さんと今中大介さんを囲みます。
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 7月に東京で行われた「走り方講座」(参照記事:「ホノルルセンチュリーライド完走のために必要な準備」)の内容をおさらいしたほか、今年からルートが変わった場所、クローズする時間が早いため通過時間に気を付けなければいけないエイドステーションなどについて話があり、皆、集中して耳を傾けます。

 特に勉強になったのは、強風の中を走る場合、体を小さくして重心を下げ、ハンドルを抑え込んで操作をするのが良いということです。男性に比べて体重が軽い女性は横風を受けて飛ばされないように気をつけないといけません。絹代さんは以前、横風にあおられ隣の車線まで自転車ごと飛ばされたことがあるのだとか。これは気をつけなければ。

 その後、参加者全員で15kmほど走り、体や自転車のコンディションを各自確認。途中、ハワイでおなじみのスコールに見舞われましたが、雨雲を抜けると風でウエアが乾いて、体が冷えるほどではありませんでした。

スコール程度なら走っているうちにウエアが乾いてしまいます。
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センチュリーライド直前、苦手な上り坂を克服!?

 午後の「プラクティスライド(初中級者向け)」では、ホノルルから少し足を延ばして、ハナウマ ベイ ビーチ パーク(ハナウマ湾)へ。

 ホノルルセンチュリーライドと同じコースを辿って、往復35kmほどの距離を走ります。途中、上り坂が2つありましたが、なんと!これまでのヘナチョコはどこへ行ったのか…スピードは落ちても自転車を降りずに上りきることができたのです。いつもだったら、息苦しくなって、「もう降りたい」と弱気になっていてもおかしくない坂道なのに。

苦手な坂道を上り切り、カメラに向けてポーズ(記者は真ん中)。
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 引き足をも自転車の進む力に活かせる「ビンディング」を使い始めたり、脚の血流循環を良くするために「コンプレッションタイツ(着圧タイツ)」を履いたり、天候に左右されず室内で自転車を使った運動ができる「固定ローラー」で練習したり…ホノルルに来る前にできる工夫を全部やってみたら、いつの間にか体力も気力もついてきて(あとホノルルの雰囲気もあるでしょう)、上れるようになっていたようです。

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ホノルルセンチュリーライド2015の前日に開催された、東武トップツアーズ主催「プラクティスライド(初中級者向け)」の参加者と。

 それに加えて、初対面のメンバーではあるものの、仲間と一緒に走り連帯感が生まれたことで私も頑張ろう!と思えたのかもしれません。

 ハナウマ湾までの往復約35km、トラブルなく走りきってプラクティスライドは終了しました。「これは明日も大丈夫かな」と、天気のことをすっかり忘れて床に就きました。

 次回はいよいよ、ホノルルセンチュリーライド2015当日の様子をお伝えします。なんと、スタート直前からハワイでは「神様からの祝福」と呼ばれる雨が降り始めます。雨の中、ハンドル操作を誤り車道に落車…。その後、無事に完走できたのでしょうか。次回(2015年10月23日公開予定)をお楽しみに。

自転車:17万円(税別)(FELT ZW7
ビンディング:9500円(税別)(LOOK KEO クラシック2

(写真:東武トップツアーズ提供[初中級者向け 直前走り方講座、プラクティスライド(初中級者向け)])
絹代(きぬよ)さん
サイクルライフナビゲーター・健康管理士・自転車活用推進研究会理事・飯田市エコライフコーディネーター
絹代(きぬよ) 1975年横浜市生まれ。東京大学農学部卒業後、国際協力事業団(JICA)勤務を経て、英国大学院で身体運動と栄養について学ぶ。自転車ロードレースの実業団、日本代表の広報スタッフも経験。現在は雑誌、TV、ラジオなどのメディア、各種イベントで、MCや、自転車フィットネスの提案を行うなど、自転車を軸に健康、美容、エコのフィールドで活躍中。また、自転車を使った町おこしや、女性のためのイベント、子ども自転車教室のスタッフも務めるなど、自転車の活用や普及、啓発のためにも積極的に活動している。近著に『チャリーナのための自転車BOOK』(幻冬舎エデュケーション)『自転車でカラダとココロのシェイプアップ』『自転車と旅しよう!』など(ともに枻出版社)がある。