運動中の目安となる心拍数を求める計算方法は、いくつかありますが、比較的求めやすくよく用いられるのが、次の「カルボーネン法」です。
心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数
安静時心拍数は前述した通り、起床直後など、呼吸をしている以外何もしていない状態で計測します。運動強度は、たとえば有酸素運動時の心拍数を出したい場合は50~70%なので「0.5~0.7」を、無酸素運動なら「0.7以上」を計算式に当てはめます。最大心拍数は運動中に測るのは難しいため、最大心拍数として[220から年齢を引いた数]を代わりに用いることができます。
(1)の式に、最大心拍数=[220から年齢を引いた数]を代入
心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数
実際に、計算してみると、私(36歳、安静時心拍数が75回/分)の場合、たとえば有酸素運動時の心拍数なら、「(220-36-75)×0.5~0.7+75」という計算式になり、次のような数値になりました。
心拍数(回/分) | |
運動強度50~70%(有酸素運動) | 129~151 |
運動強度70%以上(無酸素運動) | 152~ |
つまり自転車に乗っている際に心拍計をチェックし、心拍数が129~151(回/分)のときは有酸素運動、152(回/分)を超えると無酸素運動の状態と考えることができるわけです。
ちなみに、有酸素運動は、脂肪燃焼の効果があり、長く続けることができます。一方、無酸素運動では筋肉内のグリコーゲンが一気に使われてしまう上に、疲れの原因となる乳酸が体内に溜まっていくばかり。「無酸素運動の時間が長いと、その分疲れやすくなってしまいます」(絹代さん)。有酸素運動を維持しながら走ることが大切で、無酸素運動が続くとバテやすいのですね。
【まとめ】
運動強度50~70%ぐらい:有酸素運動
主に脂肪燃焼でエネルギーを捻出する
脂肪は体内に多く蓄積されているので、長く続けることができる
運動強度70%~:無酸素運動
主に体内のグリコーゲンを分解してエネルギーを捻出する
乳酸が溜まっていく
グリコーゲンの貯蔵量は少ないので、長く続けることができない
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