初めて、前のギアを大きいものに切り変えた
「遅れないように」と必死にペダルをこいでいると、同行した先輩ライダーたちから声をかけてもらいました。中でも多かったのは、ギアに関する指摘。
「ペダルが空回りしてるみたい。もう少しギアを重くしてみては?」
「坂道を走るには、もっとギアを軽くするとラクだよ」
絹代さんからも、長距離をラクに走るために、これまで操作したことがなかった、前のギアを大きい(ギアの歯数が多い)方に変えて走ってみるようにアドバイスをもらいました。ペダルからの駆動力が直接伝わる、前のギアを大きい方に変えるとペダリングは重くなりますが、ペダル1回転あたりの進む距離が長くなり効率的になります。
左手のシフトレバーを、力を込めて「ガチャッ」と入れ替えると、確かに走り始めは力が必要ですが、変える前より一漕ぎで進む距離が長くなりました。
しかし、まだ坂道をスムーズに上り切るためのギアチェンジは苦手。コースの途中、さほど勾配がきつくない坂道で、重たいギアのまま気合だけで上り切ったり、坂道の途中で後のギアを軽くしてみたり、試行錯誤してみますが、まだコツがうまくつかめません。そうこうしているうちに…。
なんと、コースの終盤に、10%の勾配がある大きな坂が待っていました。昨年秋、20㎞のポタリングに参加した時に、坂道で転んでひざを擦りむいたときのことが頭をよぎります(「転んで、濡れて、走り切った20km」)。「もうこれ以上進めないと思ったら、すぐに自転車を降りよう」と、私は心に決めて坂に挑みました。
20メートル近く助走をつけて坂を上り始めますが、坂の真ん中あたりでペダルを踏み込んでも進まなくなってきた…。でもまだ諦めたくない。仕方なくハンドルを左右に切って、ジグザグに上ります。思わず「うおーっ」「それーっ」などと声を出しながら、なんとか自転車から降りずに坂を上りきりました。
坂のてっぺんで、息を調えていると後ろから絹代さんが余裕の表情で、坂を上ってきました。悪戦苦闘の末、上り切った私を見て「前回より進歩しましたね!」とお褒めの言葉をいただきましたが、私は肩で息をしているなんとも恥ずかしい姿…。
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