両腕は視界に入る範囲でかくと楽
スカーリングの感覚が何となくつかめてきたところで、次は泳ぎのレッスンだ。まだまだ推進力が弱くて下半身が沈みやすいので、股にプルブイをはさんで浮きやすくした状態で、腕の動きを練習する。泳いでいる状態だと、どうしても早く進もうとして腕を大きくかこうとしてしまうが、そうすると水の抵抗を大きく感じて、楽に進めなくなってしまう。「両腕が大きく開いたときでも100~120度くらい、わかりやすく言えば両腕が視界に入る程度までに収めるのがコツです」(高橋監督)。
楽に進めるようになってきたら、息継ぎを入れる練習に移る。きちんとした平泳ぎでは、「1回の腕のストロークごとに息継ぎを入れるのが最も速く泳げる」(高橋監督)。しかし、スカーリングの段階では、手のひらを離して近づける動きを3回繰り返す度に、1回の息継ぎを行う。息継ぎの際には、近づけた両手を胸の近くまで引き寄せ、その反動で顔を上げて呼吸する。
次回は腕のストロークのレッスンで、平泳ぎを完成させる予定です。
(撮影:竹井俊晴)
(衣装協力:ミズノ/取材協力:ワイジェイティー)
中央大学 理工学部教授、水泳部監督
