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50歳直前ペーパースイマー、100m「美メドレー」への道

水中で正しい姿勢を保つ呼吸とお腹の関係とは

肺を“浮袋”に代える方法があった

 稲川哲浩=日経Gooday

水中で息を吐くと足が沈む

 ところで、肺が体の浮袋になると教えて頂いたものの、どうも実感が湧かない。「では、水中で息を吐いていくと、姿勢がどうなっていくか見てみましょう」。高橋監督の提案で、実験してみることにした。

 「パッ」「ハー」を行った後に「ウン」で息を止め、水中にフラット姿勢で浮かんだ状態で、鼻から息を吐き続けた。すると、あら不思議(でもないか…)。肺から空気が抜けるにつれて、見事に足が沈んでいった。「ウン」をせずに水中で息を吐きながら泳いでしまうと、フラット姿勢は保てないわけだ。

水中で息を吐き続けると、次第に足が沈んでいく
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フラット姿勢は息をしっかり止めないと保てないことが分かった。

 フラット姿勢がきちんとできれば、無呼吸で蹴伸びをした際の到達距離が伸びる。「息継ぎをしないで、10メートルまで蹴伸びで到達できれば、良い姿勢ができている目安になります」(高橋監督)。先生のレッスンでは、プルブイを付けて蹴伸びを行い、10メートルに何とか到達。ただ、最後の方は、足が徐々に沈みがちになってくる。

蹴伸びでフラット姿勢をチェック
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プルブイを付けて蹴伸びを行い、10メートルに何とか到達した。

 その後、自宅付近の区民プールでフラット姿勢の練習を繰り返したが、1人だけではチェックができない。面倒臭がる妻にチェック役を頼み込み、まずまず仕上がったことを確認した。利用者の多い区民プールで、プールの底を見ながら蹴伸びを行うのは少々怖かったが、慣れてくると、動じることなくその姿勢を続けられるようになった。丹田には力を入れるが、全身の力は抜く。そんな感覚で浮くと、うまくいきやすいと感じた。

(次回は、革新的なバタ足キックの習得に挑戦します)

(撮影:竹井俊晴)

(衣装協力:ミズノ/取材協力:ワイジェイティー)

高橋雄介(たかはし ゆうすけ)さん
中央大学 理工学部教授、水泳部監督
高橋雄介(たかはし ゆうすけ)さん 1962年生まれ。52歳。現役時代はバタフライの選手として活躍。5年間の米国留学で最先端の水泳トレーニング法を学ぶ。帰国後は中央大学水泳部のヘッドコーチ、続いて監督に就任。2004年に全日本学生選手権での11連覇を達成し、2014年には15回目の優勝を達成した。今では、米国仕込みの新しい水泳法「フラットスイム」を全国のスイミングクラブに伝えており、個人向けの指導も行っている。

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