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50歳直前ペーパースイマー、100m「美メドレー」への道

水中ウォーキングで体がよみがえる

なんば歩きがクロール上達のコツだった!

 稲川哲浩=日経Gooday

なんば歩きでクロールの動きを意識

 次に水中ウォーキングでチャレンジしたのは、片側の手足を一緒に動かす「なんば歩き」だ(写真下:プールサイドで再現)。地上では「右手と右脚が一緒に出ているよ」と冷やかされてしまうが、「水中では合理的な歩き方なんです」と高橋監督に教えられてビックリ。この歩き方には何とクロールに生かすことができる動きが含まれているそうだ。

前方に出す手と脚が左右で同じになる「なんば歩き」
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体を左右交互に前へねじりながら、右手と右脚を一緒に前へ押し出し、続いて左手と左脚を前に押し出すように歩く。足の踏み出し、着地、蹴りまでの動かし方は先に紹介した「一般的なウォーキング」と同じだ。

 実際にやってみると、確かに進みやすい。「一般的なウォーキングは体の中心を軸として、右脚を前に出す時に左手を前へ出します。これに対して、なんば歩きでは『胸から股、左脚まで』の体の左側と『胸から股、右脚まで』の体の右側の2つの軸を交互に使う形で、右脚と右手を同時に前へ押し出し、続いて左脚と左手を同時に押し出します。同じ側の手と脚を同時に押し出すことで、相撲の突っ張りのように前方への力を生み出しやすく、姿勢も安定させやすいんです」。さすが理工学部の教授でもある高橋監督ならではの理論的なご指導を頂いた。「例えて言えば、チンパンジーなど、猿の歩き方をイメージすると分かりやすいかな」という。

 この歩き方が、何故クロールの上達に役立つのか。詳細は次回以降のクロール指導の回で述べるが、先生が提唱する泳法では、頭の前に伸ばし入水させた手に体重を乗せるのと同時に、その手と同じ側の足でキックする。なんば歩きに近いフォームで泳ぐことが、クロールで泳ぐときの速さを生む秘密にもつながるという。

 最後はおまけで、体脂肪を燃焼させる効果が高い「ブレス・ウォーキング」を教えて頂いた(写真下:プールサイドで再現)。体全体をやや後傾させた姿勢で、脚を前に出すタイミングで素早く息を吸い、続けて息を長く吐きながら1歩ずつ進む。1歩にかける時間は約3秒が目安だ。

歩調に合わせて「吸う」「吐く」の呼吸を組み合わせた「ブレス・ウォーキング」
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体全体をやや後傾させた姿勢で、脚を前に出すタイミングで素早く息を吸い、続けて息を長く吐きながら1歩ずつ進む。1歩にかける時間は約3秒を目安に。

 ところで、これらのウォーキングはどの程度行うとよいのだろうか。高橋監督に聞いてみた。

 「例えば、一般的なウォーキングとなんば歩きを合わせて400m、ブレス・ウォーキングを100m、合計500m歩けば同じ距離を泳いだ程度の運動量になります。慣れてきたら、ジャンプをしながら歩いたり、ジョギングしたりしましょう。肩からつま先までの水の動きを感じられるので、泳ぐ時と似た水の抵抗感に慣れることができます」。区民プールで高齢者に混じってやってみると、30分程度で終えられた。1日分の運動量としてもちょうどよい感じだ。

1回に行う水中ウォーキングの目安
目的・効果1回の目安
普通のウォーキングクロールのキックに必要な足の強いスナップを体得できる合わせて400m (慣れてきたら、ジャンプやジョギングを取り入れる)
なんば歩き足のスナップに加え、クロールのストロークで手に体重を乗せる感覚を体得できる
ブレス・ウォーキング体脂肪を燃焼させる効果が高く、有酸素運動になる100m

(次回は、いよいよクロールのイアンソープ化に向けて走り(泳ぎ?)出します)

(撮影:竹井俊晴)

高橋雄介(たかはし ゆうすけ)さん
中央大学 理工学部教授、水泳部監督
高橋雄介(たかはし ゆうすけ)さん 1962年生まれ。52歳。現役時代はバタフライの選手として活躍。5年間の米国留学で最先端の水泳トレーニング法を学ぶ。帰国後は中央大学水泳部のヘッドコーチ、続いて監督に就任。2004年に全日本学生選手権での11連覇を達成し、2014年には15回目の優勝を達成した。今では、米国仕込みの新しい水泳法「フラットスイム」を全国のスイミングクラブに伝えており、個人向けの指導も行っている。

(衣装協力:ミズノ/取材協力:ワイジェイティー)

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