社会人になって以降、プールなど滅多に行かない中年記者。しかし、ぎくしゃくした泳ぎを小学生の息子にばかにされ、一念発起。大学最強水泳部の監督の指導を仰ぐことに。心許ないクロールしかできないわが身も省みず、流ちょうな4泳法メドレーを1年で完成させることが目標だ。
姿勢とキックのレッスンを中央大学水泳部の高橋教授に受け、背泳ぎで沈まないコツをつかんできたことで、美しい背泳ぎの達成に向けて一筋の希望の光が見えてきた。前回記事「美しい背泳ぎの第一歩、足首がしなる柔らかいキックに挑戦」では、額の上にゴーグルを乗せた状態のまま、それを落とすことなく、バタ足だけの背泳ぎで25mを完泳。今回からは腕のストロークを加えて、美しい背泳ぎの完成を目指す。
クロールでは腕のストロークによる推進力が7割ということで、ストロークを効率よく美しくすることに注力した。一方で、「背泳ぎのストロークはクロールとは腕を回す方向が逆で、日常生活ではあまりない動きなので、初心者の背泳ぎではキック8割、ストローク2割といった感覚でいいでしょう。上級者になるとストロークで6割の推進力を得られるのですが、初心者はゆったりとストロークを行うほうが上達が早いです」と高橋監督。
背泳ぎの入水は2通りの方法がある
まずは、クロールと同様に入水の仕方から指導を仰ぐ。クロールでは手のひらを下に向けたまま入水し、次に腕を回しながら指先を下に向け、最後に手のひらを後方へ押し出すことで推進力を得た。一方で、「背泳ぎの入水の仕方には、手のひらを体の外側に向けて小指から入れる方法と、手のひらを体の内側へ向けて人差し指から入れる方法の2通りがあります」(高橋監督)。
前者の小指から入水するフォームでは、入水時に手のひらが体の外側を向いている。この状態から手のひらを後方(進行方向と逆)に向けた状態で水をかくようにストロークを行う。
- 次ページ
- 美しい背泳ぎはストロークの腕が真っ直ぐ
