しなやかで強いキックのためにはお尻ストレッチ
お尻の大殿筋(だいでんきん)は、キックの際に必要な筋肉だ。「キックをしなやかに、力強くするためにストレッチが大切」という。これは椅子に座った状態で、下の写真のように片脚をもう一方の脚の上に乗せて、体を前傾させる。確かにお尻の筋肉に効いている。

最後は股関節の動きをよくする腸腰(ちょうよう)筋のストレッチ。ここはキックの支点となる大切な箇所だ。「股関節からキックすることで柔らかなキックができるようになる」。このストレッチは、下の写真のように片膝を付いた状態で、もう一方の膝に荷重をかける。年を取るにつれて特に硬くなる箇所で、見た目以上につらく、全身のバランスも求められる。

ストレッチを本格的にチェックしていただくのは久しぶりだったが、カメラマンからも時折漏れる「動いてないなぁ、硬いなぁ」というため息にすっかり意気消沈。その気持ちが伝わってしまったのか、「きれいに泳ぐためだけでなく、けがを防止するためにも忘れないで」と監督に釘を刺された。
日々のストレッチに励んでいると、1週間経った頃に、日常的に足が軽くなるなどの効果を感じられるようになってきた。ただ、体が軽くなったのはありがたい限りだが、一体いつになったらプールに入れるのやら…。
(次回は、「疲れ気味の体がよみがえる水中ウォーキングの力にビックリ!」の予定です)
(撮影:竹井俊晴)
中央大学 理工学部教授、水泳部監督

(衣装協力:ミズノ/取材協力:ワイジェイティー)