社会人になって以降、プールなど滅多に行かない中年記者。しかし、ぎくしゃくした泳ぎを小学生の息子にばかにされ、一念発起。大学最強水泳部の監督の指導を仰ぐことに。心許ないクロールしかできなかった状態から始めて、50歳目前の体にムチを打ちつつ、背泳ぎ、平泳ぎもマスター。いよいよ、最難関のバタフライ、そして夢の4泳法メドレーを完成させる日がやってきた。
10mも進めなかったバタフライの教えを中央大学水泳部の高橋雄介監督から受けて、25m完泳のイメージがおぼろげながら見えてきた…。「キックとストローク、呼吸のタイミングが合えば、腕力のない小学生でもできてしまうんですよ」という高橋監督の一言を励みに、今回はバタフライの完成に向け、腕で水をかくストロークの指導を受ける。
ストロークは一気に、折り返しで親指は下
まずは、ほかの泳法と同様にプールサイドで高橋監督にストロークの手本を見せてもらった。「初級者が注意すべき大切なポイントは、両腕を後方へ回して前方に戻す動きを一気に行うことです。前回に『イチ・ニー』『イチ・ニー』と2度打ちするキックを教えましたが、その『イチ』のタイミングで少しだけ手を下げて上げ、『ニー』のタイミングで一気に腕をグルっと回します。そうすることで、息継ぎのために顔を上げる勢いがつき、腕も前に戻りやすくなります」(高橋監督)。
加えて、注意が必要なのは、腕を後方から前方へ切り返す際に、手首を内側に曲げて、親指を下側に向けることだ。「こうしないと、腕を回す際に肩を痛める恐れがあるので気をつけましょう」と高橋監督はアドバイスする。
バタフライにおいて手のひらで水をかく軌道は、単純に体の両端を真っ直ぐかけばよい。高橋監督によると、水中でS字のような軌道をかく指導法もあるが、「どのようなレベルのスイマーでも、真っ直ぐかく『ストレートプル』がよい」という。
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- 水面間際の省力化ストロークで25mを完泳