ストロークの腕と同じ側でキックを合わせる
続いてプールに入り、まずは入水した腕と逆側の脚のキックのタイミングを合わせる方法を試すことにした。しかし、水中で実際に泳いでみると、シミュレーションの感覚とは大違い。本来のキックとは真逆の動きをしてしまったのだ。左腕の入水と同時に右脚を下向きへキックしなければいけないところを、上向きにキックしてしまっていた。前日に予習のつもりでやったプールでのトレーニングから、キックする方向を逆にしており、その癖が付いてしまっていたのだ。一度付いた癖を直すのは大変なことだった。
そこで、高橋監督が矯正に乗り出した。何と水中で記者の足首をつかみ、クロールの進行に合わせながら、ちょうど良いタイミングで足の上げ下げを行ってくれた。文字通り手取り足取りの指導を受け、体が何となくタイミングをつかめたような気になってきた。しかし、完全にタイミングが合う状態までには至らなかった。