キャッチするときの手の形に合わせて、大事なのは腕の角度だ。ストレッチングタイムでは腕をほぼ真っすぐにしていたが、キャッチでは次のストロークに備えて、肘を上側(水面)に向けて軽く曲げる。これを「肘を立てる」と言うが、このフォームを作らないと、「指先が上を向いて体が沈みやすい姿勢(前回記事を参照)になってしまったり、ストロークの軌道が外側や内側に流れてしまう原因になったりする」(高橋監督)。特に腕力のあまりない女性などによく見られるので気をつけよう。
上の写真は、高橋監督と記者の泳ぎで、キャッチの腕の形を比べたものだ。高橋監督の泳ぎでは肘が立ち、水を後方へ送り出すための手の形ができあがっているのに対して、記者は肘の立て方が不十分で、手のひらも後方へ向けられていなかった。そこで、ストレッチングタイムの後で肘をしっかり立て、下半身が沈みにくいように姿勢や呼吸を整える練習を重ねた(過去記事「体が沈まず、スイスイ腕を回せる「横呼吸」を体得! 」を参照)。
息継ぎをしない時のストレッチングタイムは快感
ストレッチングタイムからキャッチまでの練習を重ねたところで、ミニフィンを外し、記者の泳ぎの最終試験となった。前回と同様に、肩甲骨を使って肩と肘を高く上げてから入水する点に注意しつつ25mを泳いだ。
結果は、上の写真の通り。水上で見える腕の形に加えて、泳ぎにストレッチングタイムが加わったことで、高橋監督に教わる前の記者とはすっかり見違えた泳ぎに変身した。とはいえ、泳いでみて分かったことだが、左腕よりも右腕を伸ばした時のストレッチングタイムのほうがスーっと水に乗る感覚をつかみやすい。これは、右腕で水をかく時に息継ぎが入るので、体のフラット姿勢が崩れやすいからだと思われる。一応、高橋監督から「いいですよ~」と合格の言葉は頂いたが、息継ぎした時のストレッチングタイムの改善に向けて今後練習を重ねることにした。