社会人になって以降、プールなど滅多に行かない中年記者。しかし、ぎくしゃくした泳ぎを小学生の息子にばかにされ、一念発起。大学最強水泳部の監督の指導を仰ぐことに。心許ないクロールしかできないわが身も省みず、流ちょうな4泳法メドレーを1年で完成させることが目標だ。
今回からは格好いいクロールをマスターするためのレッスンに移る。これまで学んできたキャッチアップクロールでは両腕を真っすぐに伸ばして交互に回すだけだったが、いよいよ水泳選手のように力強く美しいストロークの習得を目指して行くわけだ。
これまではクロールで腕を回す動きを大まかに「ストローク」と呼んでいたが、今後はきれいに効率良く泳ぐための正しい形を学ぶために、腕の動きを細分化して理解しなければならない。
具体的には、(1)腕が水に入る「入水」、(2)水中で腕を前に伸ばしたまま進む「ストレッチングタイム」、(3)指先で水を捉え、手のひら全体で面を作る「キャッチ」、(4)水を体に沿って腿の位置までかく「ストローク」、(5)手を水の上に出す「リリース」、(6)腕を前に戻していく「リカバリー」の6行程に分かれる。
そこで、中央大学の高橋雄介監督にこれらの6行程の“模範演技”を、プールサイドで行ってもらった。細かい教えはこれからのお楽しみということだが、ぱっと拝見したところ、肘や手首の角度が各行程で目まぐるしく変わり、左右の腕のコンビネーションも非常に複雑であることが伝わってきた。
高橋監督のエレガントなフォームを見せてもらった後で、さあ記者はどこまで真似できるか…。
訳も分からず見よう見まねでやってみたが、記者の動きを撮った写真を見てみたら、真っすぐ伸ばした腕をただ回すだけになっていた。「初心者はだいたいこうなりますが、水泳技術が発達していなかった頃は、水泳選手も似たような泳ぎ方だったんですよ」と高橋監督。
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- 腕が伸びたクロールだと弱々しい印象に
